Hidemi Shimura

Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ

  • 龍美術館 LONG MUSEUM 上海アート情報2018-2 2018-03-07 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimura上海の黄浦江の西側と東側の両方にある龍美術館 LONG MUSEUM。非常に大きな建物ですが、なんと個人のアートコレクターによって建てられた美術館です。 今回行ったのは西館の方です。「東方気質」という日中韓3か国の現代美術の収蔵品展と「蒋廷锡《百种牡丹谱》」という17世紀の牡丹ばかり描いていたらしい画家の展示の2つでした。入場料は40元。 上海は冬は基本的にオフシーズンだというのと、今年は旧正月が2月16日で通常より遅く、2月末まで休みだった人も結構いて、3月初めはまだ正月気分が抜けない感じですので、展示も少なめでした。スタッフに聞いた話によるとこれから展示設置して3月24日からまた新しい展示が2つ新たに始まるとの事。 あと、私立の美術館は展示の内容によって入場料がその都度変わりますので、高い時と安い時があります。稀にですが高い時は100元超える事もあります。 「東方気質」の展示の方は、日中韓の作品を国ごとに分けるのではなく、交互に展示されていてその配置が面白い感じでした。 収蔵作品展なのに結構くまなく作品を網羅していて、「ここのオーナーは作品を本当にたくさん所有しているんだなあ。」と思いました。 今は冬なので風が強く寒いですが、この美術館は黄浦江のすぐ横にあるので、暖かい季節なら外でベンチに座ったりして黄浦江を行きかう船を眺めたりしても面白いと思います。
  • 上海での作品販売の動向 上海アート情報2018-1 2018-03-06 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimura私が滞在しているアーティストインレジデンスはスペイン系のギャラリーが運営していて、結構アジアのアーティスト(日本も含む)の作品をヨーロッパのアートフェアに持って行ったりしているギャラリーです。 スタッフから最近の動向について聞いたところ、「最近はヨーロッパでも作品はなかなか売れない。上海ではアートフェアでは作品が本当にたくさん売れるけど、ギャラリーではそうでもないというか、ギャラリーによってばらつきがある。」とのことで、どうしてアートフェアでは売れるのにギャラリーではそうではないのか聞いたところ、「ギャラリーでは作品の質がバラバラで、良い作品もあるけど質の低い作品もたくさんあるので評価が一定しないけど、アートフェアだったら質の高い作品が売られているからみんな安心して買う。」とのことでした。 どのアートフェアで作品が売れてるかと言うと、 ART021 http://www.art021.org/ WEST BUND ART & DESIGN http://westbundshanghai.com/index.php/English Photo Fairs Shanghai https://www.photofairs.org/shanghai の3つです。 これらは、出展ギャラリーの審査がしっかりしていて、作品の質も高く保たれているようです。 あと中国での美術品売買と言うと高い関税がネックになっていたのですが、これらのアートフェアではその点もクリアされているとの事。 ※前に上海で行われていたアートフェア SH Contemporary では、作品が税関で止まってしまって搬入の日に間に合わないとか、高い関税がかけられてしまうなどの問題もあり、運営が難しくなって打ち切りになってしまったので、その時の反省を生かしたのではないかと思います。 この他に「上海アートフェア」というのもあるのですが、そちらは出展画廊の審査がなく、応募が早いもの順で参加できてしまうため、作品の質が低く、作品もほとんど売れません。 なぜか日本からの画廊が結構こっちに参加してしまうのですが、出展しても効果はあまりありません。 ギャラリーによってばらつきがあるとはいっても、話を聞いた感じでは、良い作品をコンスタントに取り扱っているギャラリーは売り上げが伸びているようです。上海はどんな業種でも生き残りが難しく入れ替わりが激しいのですが、上海の現代美術の黎明期(10-15年前)にオープンしたようなギャラリーは結構生き残っていて、とても安定した地位を築いています。 ギャラリー経営は一般的に最初の2-3年は非常に売り上げが少なく、安定するまでは数年かかると言われますが、やっぱりどの場所でもある程度年数をかけないと結果を出すのは難しいものなのかなあと思いました。  
  • 蘇州でアーティストインレジデンス開始しました! 2018-03-02 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimura作品の制作とレジデンスに出発するための準備で大分バタバタしていましたが、昨日より中国江蘇省蘇州市での pantcrator gallery 主催のアーティストインレジデンスでの滞在制作が開始しました。 スタジオは下の写真のようにとても広く、普段は仕切られた部屋を各アーティストが使うのですが、今オフシーズンで他に滞在アーティストがいないため私が一人で使って良いとのことです。 一人では使い切れないので、一番大きい部屋だけ使う感じにすると思います。私の前はフランス人アーティストが滞在していたそうです。 ここで作る作品を4月末からの横浜での展示に持っていきます。ここにも1階に200㎡くらいある展示スペースがあり、そこで展示が出来るのですが、広すぎるのでどうすれば空間をある程度埋めることが出来るのか?と思って今考えています。そういえば前回蘇州で展示したときもスペースが広すぎて頭を悩ませた結果観客参加型インスタレーションをする事にしたのでした。中国はどこもギャラリーが広いので、個展だと本当に大変です! 56文創園という新しくできたアートディストリクトの中のレジデンスで、周りは現地のアーティストのアトリエやデザイン事務所などのオフィス、展示スペースやカフェやショップ等が集まった複合施設です。工場を改造した大きな建物3つからなり、とても広いです。 滞在中は上海にも時々行きますので、新しい美術館等アート情報もレポートしますので是非見てみて下さい!
  • クラウドファンディング始めました 2018-02-15 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimuraつい最近までまさか自分がやることになるとは思ってなかったけど、クラウドファンディング始めました。 是非内容を見てみて下さい! 「上海ー蘇州ー東京ー横浜にまたがるアートプロジェクトを実現したい!」 元々私はお金なんて働いて稼げば良いじゃない?と言ってるタイプの人間ですが、今回は個展の予定が続いていて作品をたくさん作る必要があり、本当に働いてお金を稼ぐ時間が無いくらい作品制作が忙しいのでやむ終えないです。 今回のリターンの目玉は、ショルダーバッグと猫型作品付きフォトフレームです。 ショルダーバッグは布にプリントしたものですが、フォトフレームの縞々部分は刺繍糸で作った作品の実物が入ってます。 ※猫型の部分は実際はカッティングプロッターの機械でカットするので、もっとキレイに切れます クラウドファンディングのために現代美術に馴染みの無い方でも楽しめるようなものを目指して新たに作ってみました。 作品も普段ギャラリーで販売するよりかなりお得な価格になってます! 今回のクラウドファンディングはいつも作品を扱ってもらっているタグボートさんのプロジェクトとして行っていて、掲載内容についてのサポート等がありましたので一人で全部行うよりは大変ではなかったと思います。 とはいえ、内容やリターンは自分で考えたので、準備には結構時間がかかりました。 私は何か新しいことをするときは結構迷う方なので、今回も何日も考えた上でやってみることに決めたのですが、実際やってみた結果、文章を考えるのはプレゼンの練習になるし、リターンを考えるのも結構楽しいので、他のアーティストの方も一度やってみると良いかもしれません。 ただ、今回のクラウドファンディングは単純に資金を集めるためだけに行ったのではないのですが、資金集めに関係のない内容は紹介文に書くことが出来ないので、その辺はほとんど伝わっていないと思います。 今回のクラウドファンディングの目的として、もちろん個展続きで準備費用がかかるというのもありますが、次回の個展の宣伝も目的としています。 結構長い期間掲載されるので、単純に大勢の人に見てもらえるのではないか?と思ったわけです。 更に、3月は蘇州にアーティストインレジデンスで滞在して作品を作りますので、現地からの蘇州の様子や上海のアート情報をこのブログ等でレポートしていく予定で、そちらともリンクさせていく感じにしたいと思っています。 なぜかというと、日本に帰って来てから、常々「日本のアーティストは中国で展示する事にはあまり興味が無いらしい」というのを感じているのですが、それはもったいないと思うのです。 上海は今新しい美術館が次々に出来たりして、現代美術がとても盛んになっています。人によっては「今は香港や北京よりも上海の方が盛り上がってる。」と言います。 「せっかく日本から近いんだから日本のアーティストも行けばよいのに!」と思うのですが、たぶん情報不足だったり、中国に対してあまり良いイメージが無かったりで、行くのをためらうのではないか?と思います。 そこで、私が今回現地から新しい情報をレポートして伝えよう!と思った次第です。 私もしばらく働いていたので中々上海に行けなかったのですが、今回は作品作りながら蘇州に1か月滞在するので、その合間に上海にも行きあちこち見たり話を聞いたりしてこようと思っています。というわけで、これらも全部まとめて一つのプロジェクトとして行うぞ!と思っています。 もちろん個展のための作品も引き続き全力で作りますので、そちらも是非見に来てください! 4/3(火)ー4/8(日) 個展「開花宣言 -blooming- Vol.2」 JINEN GALLERY  東京都中央区日本橋小伝馬町7-8 久保ビル3F 開廊時間:12:00〜19:00 ※金曜日20:00まで ※最終日16:00まで 休廊日:月曜日 4/24(火)ー5/6(日) 個展「パラレルワールド」 gallery fu 神奈川県横浜市中区石川町1-31-9 開廊時間:12:00〜20:00 ※日曜日18:00まで 休廊日:月曜日
  • 藤本由紀夫展@Shugoartsと100台のメトロノームのためのポエム・サンフォニック 2018-01-24 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimura先日4月末からの横浜での個展の打ち合わせをしながら、千葉市立美術館の小沢剛展、六本木のアートコンプレックスのギャラリー色々、森美術館のレアンドロ・エルリッヒ展を回りました。 横浜の展示の打ち合わせを千葉でやるのがちょっとめちゃくちゃで面白いと思いましたが、実際展示を見ると色々アイディアが浮かぶので、美術館で仕事の打ち合わせとかいいんじゃないでしょうか? 小沢剛展やレアンドロ・エルリッヒ展については他に多くの人が感想を書くでしょうから、それ以外の小さい展示の中で印象に残ったShugoartsでの藤本由紀夫展「STARS」についてちょっと書いてみます。 オルゴールの回すねじの部分が3つ付いた縦長の箱が並んでいて、パッと見では?????という感じです。ギャラリーの方の説明によると、ねじは自由に回して良いとの事、箱の中にはある曲のオルゴールが入っているがそれぞれ一音ずつしか鳴らないように細工がされている。人がねじを回して音を鳴らすことにより、毎回違う即興の音が流れる。 人の脳というのはある音を聞いたときに無意識に自分が今まで聞いたことがある曲と関連づけてしまうように出来ており、オルゴールから流れる即興の音に対しても知っているフレーズと重ね合わせようとしてしまうとの事。 そして、展示のタイトルの「STARS」は、展示の説明文によると「タイトルの STARS は夜空に浮かぶ一つ一つの星をつなぎ合わせ星座の物語を作った人間の視覚認識に基づいており、1 音ずつランダムに発生する音を頭の中で和音に構成しなおし、パターンやメロディーとして聞かずにはいられない人間の聴覚の可能性を示唆します。」とあり、星から星座を作り、一つ一つの音から音楽を作る人間の想像力に対する敬意が込められているのではないかと思います。 一つ一つの音の集合と聞いたことがあるフレーズを重ね合わすというと「100台のメトロノームのためのポエム・サンフォニック(Poème Symphonique for 100 metronomes)」をちょっと思い出します。 前回渋谷で行われたジェフ・ミルズ&オーケストラのコンサートでこの曲が演奏され、実際はたくさんのメトロノームが音を立てているだけなのに、ある時は雨音に聞こえたり、ある時はアフリカの民族音楽のようなリズムに聞こえたり、聞く人によって変化する不思議な曲なのです。 結構長い曲で、最初はただのうるさいバラバラの音に聞こえますが、ずっと聞いていると何かが聞こえてきます。 その前のジェフ・ミルズ&オーケストラのコンサートでは、ジョン・ケージの「4分33秒」が演奏?され、静かにじっとして音を立てないようにしてないといけないのかな?と思い、なんだかそわそわと落ち着かない気分でした。ただ、音を立てないように努力するという点において、会場内に妙な一体感が漂っていた気がします。