Hidemi Shimura

Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ

  • なぜ日本のアート業界は上海進出に失敗したのか?原因の一つ 2017-10-08 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimura中国の経済成長に伴い美術作品も売れるようになることを見越して、早めに中国に進出しようとした人々は実際たくさんおりました。ただ、うまくいった例は非常に少ないと思います。 たぶんこれが主な原因じゃないの?というような出来事を私も万博前の上海で体験していましたので、それについて書いてみます。たぶん、アート業界だけではなく、他の中国やアジア進出を目指している方々にも参考になると思います。 注:ここに書いてあるのは10年近く前に起きた出来事であって、現在の日本のアート業界には当てはまりません。今ギャラリーも世代交代が起きているので、ここに書いてあるようなわがままな人は最近は会ったことないです。あと、私が上海で働いてたギャラリーも良いギャラリーだったので違います!つまり、当然ながら、全ての場合に当てはまる訳ではないです。 2010年の上海万博の前は、景気が良くなったり万博関連のイベントが増えることを見越して、上海進出を目指す日本のギャラリーやアーティストも増えました。 そして、それに伴い現地に住むアート関係者はもちろん、アートに関係ない人々も、色々お世話役的な事を頼まれるのが増えた時期でもありました。 その頃、とあるアートフェアの最中、日本からの出展ギャラリーのお世話役的な事をしていた中国人の知り合いから聞いた話、 懇親会的な感じで日本のギャラリーや現地の関係者が集まる食事会を企画しても、「うちは○○画廊とは仲が悪いからうちだけ他の日にしてくれ。」とか言われる事があって(しかも一つの画廊だけではない、画廊同士とても仲が悪かったのである…)、何度も食事会を企画する必要があってめんどくさい、とか、 作品が売れないと、「作品を買い取れ!」とアートフェアの運営事務局に文句を言う画廊もある、とか、 対応に本当に疲れているようでかわいそうな感じでした。 私自身も、海外に不慣れすぎてトイレに一人で行けない、ずーっと他のギャラリーやアーティストの悪口を言っている人がなぜかスタッフとして来てしまったギャラリーのアートフェア出展の手伝いをした事もありますし、 上海で展示する自称?日本人アーティストの手伝いでは 現地でフレームのオーダー代行したら、「中国の額縁なんて心配だわ、寸法間違って出来ちゃったらどうしましょう?」と嫌味をいうおば様や、 自分ではタクシーにも乗れないしレストランで注文さえ出来ない風を装いながら、なぜか夜KTV(キャバクラ)にだけは自力で行けるおじ様たちとか、 他にもたくさんあるけど書くのが大変なので省略しますが、とにかく、日本のアート業界ってこんなのばかりなのか?!と絶望的な気分になりました。 ギャラリーの手伝いの場合は仕事として受けたので給料をいただきましたが、それ以外は全てノーギャラ、何かと案内したりする際の交通費や食事代を考えるとむしろ赤字な上、たいていの場合お礼の一言さえ言われないという… そして結局、2010年の万博直前より私はそういう頼まれ事は一切引き受けない事を決心し、断るようにしてからは平穏無事な日々がやって来ました。 実は私と同じような目に会っていた人々が他にもいて、それぞれの判断で頼まれ事を断るようになってしまったため、結果的に上海への進出が難しくなってしまったのではないかと思います。 これと似た話で、某日系家電メーカーの工場で働いていた中国人の方から聞いた話で、 生産効率を良くするための前向きな提案を日本人の上司に伝えても無視され、むしろ鬱陶しがられて遠ざけられたそうで、ここでずっと働いても意味ないと思って辞めて自分で会社立ち上げた、と言っていました。 日本語が流暢でとても優秀そうな人でしたが、元々日本好きで日系企業に就職したのにとてもがっかりしたそうです。 企業の駐在員の中には、任期を何事も無く終える事を目的としていてやる気が全くない人もいるため、非常に残念な印象を与えてしまったりしていたようです。 残念な印象を与えるだけならまだましですが、このメーカーの場合、現在業績も悪化していますので実害が出てしまっています。 これらは上海の話ですが、他のアジアの国でも同じような事が起きてしまっていたかも知れません。 上に出てくる日本人たちは全て年配の方々ばかりで、ギャラリーももう無くなっていたりして、今となってはダメな印象だけ残していなくなった良くわからない人々という感じです。 ただ、このような日本人の印象が残されてしまった地域に新たに進出する場合、残された日本人に対するマイナスな印象を払拭するという余計な努力から始めないといけない事になります。 ですので、海外進出を目指して下見に行って、現地の人々がなんとなく冷たい場合、前に日本人から何か嫌な目に会ったのかも知れません。その場合、自分はそういう人とは違いますよーという事が伝わるように言動や態度に気を遣う必要がありますね。 実は私も日本に帰国する前は「日本のアート業界=魑魅魍魎がいる恐ろしい所」と思ってびびっていましたし、もう活動停止かも!くらいに思っていました。 しかし、実際は帰国してからアート関係者で嫌な人に出会ったことが無く、ほっとしている次第です。
  • サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで 2017-10-04 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimuraサンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在までを見に行ってきました。 まだ森美術館の展示しか見ていませんが、とてもお勧めなので行こうかどうしようか迷ってる方は是非行ってみて下さい! この展示の関連イベントのレクチャー、「比較の難しさ:東南アジア地域をキュレーションするための調査、テーマ、その他の方法」にも参加してきました。ここ20~30年くらいの東南アジアの現代美術関連の展示の流れ(主にフィリピン、シンガポール、インドネシア等)についてスライド画像を使用しながら説明され、なるほどーと思いました。 特に、日本では東南アジア関連の展示は福岡で行われる事が多く(今でも福岡は日本におけるアジアの玄関のような感じがありますね)、東京で今回のような東南アジアの現代美術の展示が行われるのは20年ぶり?で、更に森美術館の入場者の60パーセントが40代以下である事から、ほとんどの人にとって東南アジアの現代美術を見るのは今回が初めてである事を踏まえ、どのような展示の構成にするかを考える必要があった、という点が興味深かったです。 中には美術的観点からみれば技術的に稚拙な作品もあるかもしれないが、今回の展示では東南アジアの現在の文化的・政治的背景を伝えるという事に重点を置き、そういった作品も意図的に混ぜているとの事。 私が東南アジアの現代美術に興味を持ったのは、おそらく7-8年くらい前に上海で見てからだと思います。 当時 SH contemporary というアートフェアが毎年行われていて、最初の頃は欧米からの参加ギャラリーが多かったのが、回数を経るごとに段々東南アジアのギャラリーの参加が増えてきて、その時に見た作品の新鮮さにびっくりして東南アジアのアートが大好きになりました。 東南アジアの現代美術は、結構政治や消費社会を風刺したような作品も多いのですが、どちらかというとユーモラスに笑い飛ばすような明るい作品がほとんどなので、見ていて楽しくなります。 時々美術館できれいな作品ばかりたくさん見ているとすごく疲れてしまう事はありませんか? 今回の展示では作品を見て頭が疲れてしまう感じはしないので、「美術館は行ってもいいけど難しい作品は今は見たくないなー」という人にもお勧めです。 私も一応現代美術作家ですが、一度に大量の作品を見た時は脳みそがとても疲れます。 作品を見慣れてる人が見ても疲れるんだから、普段あまり美術館とかギャラリーとか行かない人が作品を見て疲れてしまうのは普通です。 なんとなくアートって一生懸命頑張ってじっくり見て理解しないといけないもの、というイメージが強いと思うのですが、疲れちゃったら座ってぼーっと見てみるとか、ササッと流して見てみるとか、本来はもっと自由な見方をして大丈夫なものなのです。 意味が分からないと思ってササッと流して見ていた作品が、なぜか数年後に突然意味が理解できるようになることもあります。 たぶんそういう点が現代美術が好きな人が夢中になってしまう理由の一つなのではないかと思います。
  • 出来るだけお金をかけないで海外で作品展示する方法 2017-09-27 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimura日本だけで作品を展示してアーティストとして活動していければ良いのですが、なんだかんだ言って今でも日本では海外で評価された作品をありがたがる傾向にあり、どうにかして海外で作品を展示したい!と思っている若いアーティストたちは沢山いるでしょう。 日本にも海外での展示やアートフェアへの出展を代行している団体はありますが、作品1点出すのに数万円かかったりします。しかも展示風景を見てみると、アートフェアの小さいブースに何十点も作品が飾られていて、それぞれの作品が全然目立っていないというような状況になってしまっていたりします。毎回出展するたびに何万円もかかり、その割にはあまり効果が無いような状態では続けていくのは難しいでしょう。 どうしたらあまり費用をかけずに海外で展示するチャンスを得ることが出来るのでしょうか? 海外では基本的に企画画廊しかないため、作品を展示してもらうためにはギャラリーに作品を気に入ってもらい展示をするという方法がメインになります。 そのための全てのアーティストに開かれた方法として、「Juried Exhibition (審査制の展示)」のコンペに応募するという方法があります。私も何度かこれに応募して選ばれてアメリカで展示しています。小さめのコンペでグランプリを貰ったこともあります。 こういう情報をどこで見つけるかと言うと、 New York Foundation of the Arts https://www.nyfa.org/Opportunities artshow.com http://www.artshow.com/juriedshows/ wooloo.org http://www.wooloo.org/open-call などなど、他にも検索すれば色々出てきます。 タイトルにNationalと付いているものはその国に住んでいる人しか応募できないので、Internationalと書いてあるものを選びましょう。 タイトルから判断して自分の作品に適した内容のコンペを選びます。見つかったら詳細を見てみて、応募できそうだったら資料等用意して応募してみましょう。 ※選び方のコツとしては、自分の作品に内容がマッチするものを選びます。例えば、Contemporary Art なら何でもOK!というような感じのものは、当てはまる人が多い分応募者も多く、競争が激しくなるので、更に限られたテーマで自分の作品とマッチするものを絞り込むようにします。私が今までに出したものだと、「Mixed Media」「Fiber Art (布や糸等を使った作品の事)」「Women」等自分の作品の特徴とよりマッチするものを選んでいます。 資料を英語で準備しないといけないというのが応募の際のネックになるかもしれませんが、履歴やアーティストステートメント、作品のコンセプト等、一度頑張って用意しておいて、それをその都度少しづつ変えたりして使いまわすようにすれば結構大丈夫です。 作品を説明する文章はとても大事なので、どうしても英語で書けなかったらプロに依頼して翻訳してもらいましょう。特に欧米の現代美術では作品のコンセプトが非常に重要視されますので、しっかりした文章を用意するのはとても大事です。 数回応募したくらいでは選ばれないかもしれませんが、そこで諦めてはいけません。負けずに何度か応募し続けてみましょう。 何度か試しているうちに文章が上手になったり、特定のテーマに合わせて作品を作ることにより作品の幅が広がったりもします。 いよいよ入選したらギャラリーからメールでお知らせが届きます。そして、決められた日に間に合うように作品を発送する必要があります。 英語でのやり取りとなるのでちょっと緊張するかもしれませんが、ちょっとくらい間違いがあっても意味が通じれば大丈夫!google等の自動翻訳を駆使して頑張りましょう。 初めて作品を海外に発送するときに陥りがちな過ちとしては、インボイス(送り状)に作品の申告価格を高く書いてしまい、送付先で高い関税を取られてしまうという事があります。インボイスには額縁の値段程度の低めな価格を書いておきましょう。 内容物の名前も正直に「Artwork」とか書く必要はありません。「Frame」とか「Room Decoration Object」とか書いておきましょう。 なるべく費用をかけないで送るとなると、郵便局を使うのが普通だと思いますが、FedexやDHLなどの運送会社は法人契約していると送料がとても安くなります。もし貿易の仕事をしている友達がいたら、法人契約のアカウントを使わせてもらえないか頼んでみても良いかもしれません。
  • 特別展|Livingに飾りたい1枚の絵 2017-02-23 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimuraただいま作品6点展示中です! 特別展|Livingに飾りたい1枚の絵 gallery fu 神奈川県横浜市中区石川町1-31-9 2017年2月10日(金)〜3月5日(日) 12:00~20:00 日曜日は18:00まで 入場無料 月曜日休廊 WEBSITE gallery fu が今回の展示の為に選んだ7人のアーティストがバリエーションに富む作品を展示中です。 リビングに飾って欲しい作品という事で、サイズも価格もお手頃になってます。 私がなぜ今回のような作品を作ったのか↓ ある日の夕方、とある駅前にて若い男性がタバコを吸いながら「死ね、死ね、死ね」と呟いているのを見かけました。私は、この人病んでる…と思うと同時に、大変な世の中になってしまった!と思ったのでした。 この先の分からない不安定な世界で、アートなどというものには何の力も無いような気がすることがあります。それでも、作品を見た時にぱっと明るい気分になってほしいという希望を込めて、今回の作品は「朝焼け」をイメージして作りました。 朝焼けというのは不思議なもので、同じ太陽なのに場所・気温・大気の状態などによって全く違う色合いになります。同じように、私たちもこの世界のそれぞれの場所で、それぞれ違った幸せや悩みとともに生きているわけです。 私が作品を通して世の中のために出来ることはほんの少しですが、この作品を見た人たちが、これから昇っていく太陽を見た時のように、そっと励まされたような気持になってくれればと思います。
  • GET A LIFE! ヴィヴィアン・ウェストウッド展@上海 chi K11 art museum 2017-02-22 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimura28日までなので、まだギリギリ開催中です。 会場は chi K11 art museumです。地下鉄黄陂南路のすぐ北側にある、K11购物中心という中々高級路線なオシャレな感じの新しいデパートにある美術館です。 デパートのあちこちにポスターが貼ってあるのに美術館が何階にあるのか全く書いて無く、迷ったあげく案内係のお姉さんに聞いて分かりました。美術館は地下の1番下の階にあります。 チケットは100元なので高めですが、若者が結構たくさん見に来てました。 撮影自由だったので、言葉で説明するより写真をいくつか載せます。 中国の若手アーティストとのコラボ展示なので、後半は中国の現代美術が展示してあり、それもとても良かったのですが、残念ながら待ち合わせがありゆっくり見られませんでした。 中国は実は若手のアーティストの支援が積極的に行われていて、結構大型な展示にも若手をじゃんじゃん起用してます。