Hidemi Shimura

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アートは国境を超えるか?私が中国を選んだ理由

「アートは国境を超えるのか?」と聞かれたら私はアートによって国境を超えることはとても簡単だと答えると思う。ただし、それは平和な状況においてのみであると言える。
アートによって世界を平和にするとか言うアーティストが時々いるが、私は実際アートによって世界を平和にすることは不可能だと思う。ただ、アーテイストが戦場には存在出来ないのは確かであって、つまりアーティストが活動できる地域というのは平和であり、たとえアーティスト自身が世界を平和にすることは出来なくても、アーティストの存在自体が平和の証となることは出来ると思う。

そもそも、私がなぜ中国でアーティスト活動する事を選んだかと言うと、私は元々アジアにはあまり興味が無く、住むなら絶対ヨーロッパがいいと思っていました。
ただ、たまたま社員旅行で訪れた上海でヨーロッパ風の街並みと中国式の生活が入り混じった不思議な光景を見て、こんなに近くにヨーロッパがあった!とも言える景色なのにやっぱりアジアな雰囲気にすっかり魅了されたのでした。
その後、引っ越す前に上海を何度か訪れているうちに、人々はとても親切で日本人であることを理由に嫌な目に合う事も特に無く、実際自分が持っていた印象とはだいぶ違うと思いました。

確かに欧米に進出してキャリアを積むことはアーティストとしては一番の近道ではあるけれど、例えば中国のような政治的にはあまり仲の良くない国で作品を発表しながら一人の日本人として現地の人たちと交流をしていくこともアーティストとしての一つの役目になるのでは?と思いました。
そして、上海は国際都市なので外国人がたくさん住んでいて、上海で色々な国の人たちを見て、人々が生きていくのに必要なもの(家族・友達・仕事・お金など)と人々が求める幸せは基本的に世界中どこの国でも同じなので、生まれた国が違うからと言って表面的な事で人を判断することはあまり意味がないという事に気づきました。そして、その考え方が私の作品にも深く影響を与えていると思います。

私自身アーティスト活動を始めた当初は、欧米を中心に作品発表したりしていましたが、当時はどうしても現代美術は欧米が基準で欧米人の尺度で判断されるため、アジア人はなんとなく脇役的な雰囲気を感じていました。だから、「いつかアジアが現代美術の中心になる時が来ればいいな。」と当時から願っていたというのも上海を移住先に選んだ理由の一つです。
そして今、アジアの各地で現代美術が盛んになっているのを見て、とてもうれしいです。

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