Hidemi Shimura

Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ

  • 2017 酉の市の熊手 11月 30, 2017 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimura今年も酉の市で熊手を買ってきました。私は毎年練馬の大鳥神社の鳥居の一番近くのきれいなお姉さんがいるお店で買うと決めています。 今年買った値段では2種類の熊手のチョイスがあり、一つは小さめだけどおかめのお面が職人さんの手作りで紙を貼り重ねたもので出来ているもの、もう一つはもう少し大きいけどプラスチックのおかめのお面が付いているものでしたので、私は迷わず手作りのお面のついている方を選んだのでした。表情が柔らかくてとっても気に入っています。 来年熊手を返納する際もお面だけは外して手元に残しておくことを勧められたのでそうしようと思います。 熊手売り場では現金が飛び交い3本締めの手拍子があちこちで聞こえるので非常に景気が良い感じがし、買っている人も楽しそうです。特に大きい熊手を買ってる人は「俺ってばこんな大きい熊手が買えるんだもんね!」とちょっと自慢気で幸せそうです。 私もこれで来年も作品がじゃんじゃん売れる事間違いなし!
  • パラレルワールドについて考える 11月 12, 2017 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimuraついこの間長く離れていた故郷である静岡県の富士宮市にひょんなことから行く事になり、十数年ぶりに遊びに行ってきたのでした。 実際行ってみた感じでは富士山が世界遺産になった効果か、非常に活気のある街になっており、新しい建物がだいぶ増えていました。 昔のままの部分と新しく出来た建物が混在する様子に私は非常に混乱し、衝撃を受け、「これってパラレルワールドに来ちゃった感じ!」と思ったのでした。 なぜ私がパラレルワールドを思い浮かべたかというと、私の作品の中に「パラレルワールド」というシリーズがあり、普段からしばしばパラレルワールドについて考えていたからでした。と言っても、パラレルワールドが実際あるのかも分からないし、行ったこともないからいまいち分からない感があったのです。しかし、今回久々に故郷に帰った感じが正にパラレルワールドってこんな感じ!という感覚で一気に自分の作品に対して合点がいったのでした。 パラレルワールドシリーズのコンセプト 環境を作りだすのは、われわれ自身である。われわれの生きる環境は、自分の価値にぴったり見合ったものなのだ -リチャード・バック「ONE」より この世界は本当に我々自身が望んだものなのか?それともどこかに私たちの理想の世界が存在するのか?そこで私たちは何をして暮らし、どんな景色を見ているのだろうか? ここから下はちょっとシリアスな話。 私は今年の夏に親しかった友人を一人亡くし、今までの人生の中では今回も含め親しい友人を3人亡くしています。この3人という数字が一般的に多いか少ないかは分かりませんが、人間というものは必ずいつかは死ぬので、同じように親しい人を亡くした経験のある人はたくさんいると思います。 ただ、私の場合、もしパラレルワールドというものがあるのならば、亡くなった友人たちもその世界ではまだ生きていてくれているかもしれない、そう考えるだけでも少し救われるような気がしたものです。そして、きっと親しい人を亡くしたときに同じような事を考えた人が他にもきっといると思うのです。 誰かを亡くしたときに限らず、何か辛いことがあった時にも、パラレルワールドについて思いを馳せ、そこで自分は何をしているのだろうか?と考えると、少しだけワクワクして自分の世界が広がっていくような気がしてきます。 このパラレルワールドシリーズではそういう他の世界を想像してちょっとワクワクしたり、救われたりするような感じを表現したいのです。 というわけで、次回の個展のタイトルは「パラレル・ワールド」にする事に決めました。 まだ先の話ですが、5月に個展を行いますので皆さん乞うご期待です! 今回はインスタレーションが主体の展示となります。 gallery fu 神奈川県横浜市中区石川町1-31-9 2018年5月1日(火)〜5月6日(日) 12:00~20:00 日曜日は18:00まで 入場無料 月曜日休廊 WEBSITE
  • 馬子禄(マーズールー)東京で蘭州ラーメンが食べられる店! 10月 13, 2017 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimura少し前にオープンして話題になっていた神保町の蘭州ラーメンの店、馬子禄(マーズールー)に行って来ました。 蘭州(ランジョウ)ラーメンとは、元々蘭州という甘粛省の街(イスラム系住人が多い)発祥の麺で、蘭州ラーメンのお店は中国中のあらゆる街にたくさんあります。 大抵イスラム系の人が家族経営的にお店をやっていて、通常24時間営業なので、昼間はもちろん、夜中の締めのラーメン的な感じでも利用されます。 神保町の馬子禄は行列が出来てるとの噂だったので、どんな感じかなーと思いましたが、早めの時間に行ったので10分くらい待っただけで割とすぐに入れました。 私は細麺で香菜(パクチー)大盛りにしてみました。 食べてみて本場の味にびっくり!むしろ水が美味しいからか?今まで食べた中で1番美味しいような気がします。 一緒に行った上海時代からの友人も大満足でした。 てっきり馬子禄(マーズールー)が自ら日本進出的な感じで出した店なのかと思っていたら、お店のウェブサイトで見てみると、店長さんが日本に蘭州ラーメンの店を出したいと思い立ち、自ら蘭州で修行してきてオープンしたお店だそうで、道理で美味しいはずです。 とても美味しいので、今まで蘭州ラーメンというものを食べた事がない方にもオススメです。 是非行ってみて下さい!
  • なぜ日本のアート業界は上海進出に失敗したのか?原因の一つ 10月 8, 2017 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimura中国の経済成長に伴い美術作品も売れるようになることを見越して、早めに中国に進出しようとした人々は実際たくさんおりました。ただ、うまくいった例は非常に少ないと思います。 たぶんこれが主な原因じゃないの?というような出来事を私も万博前の上海で体験していましたので、それについて書いてみます。たぶん、アート業界だけではなく、他の中国やアジア進出を目指している方々にも参考になると思います。 注:ここに書いてあるのは10年近く前に起きた出来事であって、現在の日本のアート業界には当てはまりません。今ギャラリーも世代交代が起きているので、ここに書いてあるようなわがままな人は最近は会ったことないです。あと、私が上海で働いてたギャラリーも良いギャラリーだったので違います!つまり、当然ながら、全ての場合に当てはまる訳ではないです。 2010年の上海万博の前は、景気が良くなったり万博関連のイベントが増えることを見越して、上海進出を目指す日本のギャラリーやアーティストも増えました。 そして、それに伴い現地に住むアート関係者はもちろん、アートに関係ない人々も、色々お世話役的な事を頼まれるのが増えた時期でもありました。 その頃、とあるアートフェアの最中、日本からの出展ギャラリーのお世話役的な事をしていた中国人の知り合いから聞いた話、 懇親会的な感じで日本のギャラリーや現地の関係者が集まる食事会を企画しても、「うちは○○画廊とは仲が悪いからうちだけ他の日にしてくれ。」とか言われる事があって(しかも一つの画廊だけではない、画廊同士とても仲が悪かったのである…)、何度も食事会を企画する必要があってめんどくさい、とか、 作品が売れないと、「作品を買い取れ!」とアートフェアの運営事務局に文句を言う画廊もある、とか、 対応に本当に疲れているようでかわいそうな感じでした。 私自身も、海外に不慣れすぎてトイレに一人で行けない、ずーっと他のギャラリーやアーティストの悪口を言っている人がなぜかスタッフとして来てしまったギャラリーのアートフェア出展の手伝いをした事もありますし、 上海で展示する自称?日本人アーティストの手伝いでは 現地でフレームのオーダー代行したら、「中国の額縁なんて心配だわ、寸法間違って出来ちゃったらどうしましょう?」と嫌味をいうおば様や、 自分ではタクシーにも乗れないしレストランで注文さえ出来ない風を装いながら、なぜか夜KTV(キャバクラ)にだけは自力で行けるおじ様たちとか、 他にもたくさんあるけど書くのが大変なので省略しますが、とにかく、日本のアート業界ってこんなのばかりなのか?!と絶望的な気分になりました。 ギャラリーの手伝いの場合は仕事として受けたので給料をいただきましたが、それ以外は全てノーギャラ、何かと案内したりする際の交通費や食事代を考えるとむしろ赤字な上、たいていの場合お礼の一言さえ言われないという… そして結局、2010年の万博直前より私はそういう頼まれ事は一切引き受けない事を決心し、断るようにしてからは平穏無事な日々がやって来ました。 実は私と同じような目に会っていた人々が他にもいて、それぞれの判断で頼まれ事を断るようになってしまったため、結果的に上海への進出が難しくなってしまったのではないかと思います。 これと似た話で、某日系家電メーカーの工場で働いていた中国人の方から聞いた話で、 生産効率を良くするための前向きな提案を日本人の上司に伝えても無視され、むしろ鬱陶しがられて遠ざけられたそうで、ここでずっと働いても意味ないと思って辞めて自分で会社立ち上げた、と言っていました。 日本語が流暢でとても優秀そうな人でしたが、元々日本好きで日系企業に就職したのにとてもがっかりしたそうです。 企業の駐在員の中には、任期を何事も無く終える事を目的としていてやる気が全くない人もいるため、非常に残念な印象を与えてしまったりしていたようです。 残念な印象を与えるだけならまだましですが、このメーカーの場合、現在業績も悪化していますので実害が出てしまっています。 これらは上海の話ですが、他のアジアの国でも同じような事が起きてしまっていたかも知れません。 上に出てくる日本人たちは全て年配の方々ばかりで、ギャラリーももう無くなっていたりして、今となってはダメな印象だけ残していなくなった良くわからない人々という感じです。 ただ、このような日本人の印象が残されてしまった地域に新たに進出する場合、残された日本人に対するマイナスな印象を払拭するという余計な努力から始めないといけない事になります。 ですので、海外進出を目指して下見に行って、現地の人々がなんとなく冷たい場合、前に日本人から何か嫌な目に会ったのかも知れません。その場合、自分はそういう人とは違いますよーという事が伝わるように言動や態度に気を遣う必要がありますね。 実は私も日本に帰国する前は「日本のアート業界=魑魅魍魎がいる恐ろしい所」と思ってびびっていましたし、もう活動停止かも!くらいに思っていました。 しかし、実際は帰国してからアート関係者で嫌な人に出会ったことが無く、ほっとしている次第です。
  • サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで 10月 4, 2017 Art Random -art memo- 現代美術作家シムラヒデミのブログ  Hidemi Shimuraサンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在までを見に行ってきました。 まだ森美術館の展示しか見ていませんが、とてもお勧めなので行こうかどうしようか迷ってる方は是非行ってみて下さい! この展示の関連イベントのレクチャー、「比較の難しさ:東南アジア地域をキュレーションするための調査、テーマ、その他の方法」にも参加してきました。ここ20~30年くらいの東南アジアの現代美術関連の展示の流れ(主にフィリピン、シンガポール、インドネシア等)についてスライド画像を使用しながら説明され、なるほどーと思いました。 特に、日本では東南アジア関連の展示は福岡で行われる事が多く(今でも福岡は日本におけるアジアの玄関のような感じがありますね)、東京で今回のような東南アジアの現代美術の展示が行われるのは20年ぶり?で、更に森美術館の入場者の60パーセントが40代以下である事から、ほとんどの人にとって東南アジアの現代美術を見るのは今回が初めてである事を踏まえ、どのような展示の構成にするかを考える必要があった、という点が興味深かったです。 中には美術的観点からみれば技術的に稚拙な作品もあるかもしれないが、今回の展示では東南アジアの現在の文化的・政治的背景を伝えるという事に重点を置き、そういった作品も意図的に混ぜているとの事。 私が東南アジアの現代美術に興味を持ったのは、おそらく7-8年くらい前に上海で見てからだと思います。 当時 SH contemporary というアートフェアが毎年行われていて、最初の頃は欧米からの参加ギャラリーが多かったのが、回数を経るごとに段々東南アジアのギャラリーの参加が増えてきて、その時に見た作品の新鮮さにびっくりして東南アジアのアートが大好きになりました。 東南アジアの現代美術は、結構政治や消費社会を風刺したような作品も多いのですが、どちらかというとユーモラスに笑い飛ばすような明るい作品がほとんどなので、見ていて楽しくなります。 時々美術館できれいな作品ばかりたくさん見ているとすごく疲れてしまう事はありませんか? 今回の展示では作品を見て頭が疲れてしまう感じはしないので、「美術館は行ってもいいけど難しい作品は今は見たくないなー」という人にもお勧めです。 私も一応現代美術作家ですが、一度に大量の作品を見た時は脳みそがとても疲れます。 作品を見慣れてる人が見ても疲れるんだから、普段あまり美術館とかギャラリーとか行かない人が作品を見て疲れてしまうのは普通です。 なんとなくアートって一生懸命頑張ってじっくり見て理解しないといけないもの、というイメージが強いと思うのですが、疲れちゃったら座ってぼーっと見てみるとか、ササッと流して見てみるとか、本来はもっと自由な見方をして大丈夫なものなのです。 意味が分からないと思ってササッと流して見ていた作品が、なぜか数年後に突然意味が理解できるようになることもあります。 たぶんそういう点が現代美術が好きな人が夢中になってしまう理由の一つなのではないかと思います。