コマーシャルギャラリーというシステムについて 前編

またまたこちらのサイトより http://www.artbusiness.com/artists.html
ホントに役に立つ良いサイトです。

コマーシャルギャラリーというシステムについて

これらの基本を知ることにより、あなたは自分の作品にあったギャラリーを探す際の時間とお金を節約でき、がっかりする目に会う事も減ります。

アーティストはたくさんのギャラリーでの展示を経験し、最終的に確固たるギャラリー、組織、美術館、洗練されたアート施設に行き着く。こうした経歴は時間をかけて徐々に積み上げていくものであり、突然彗星のように現れスターになるといった事は実際はめったに起こらない。

他の多くの職業と同じようにアーティストもスタート地点から始めなければならない。カフェ、レストラン、家具売り場、ブティック、ヘアサロン、ビルのロビー、友達と展示会場を借りる、誰かの家で個人的に見せる、公募展、オープンスタジオなどとにかくどこでもである。なるべく多くの人に見てもらい、口コミで広まり、ギャラリーのオーナーの耳に入り作品が気に入られ連絡が来る、というのがよくあるパターンである。

美術系の学校を卒業した人は地元のアート関係者と知り合う機会に恵まれていたかもしれない。だからといってそれらの人々があなたのために何かをしてくれるという訳では無いのでやはりキャリアを1から積み上げる必要がある。

独学でアートを学んだ人は地元のアートコミュニティ(展示のオープニング、美術館の展示、トークショー、ツアー、オープンスタジオなど)と積極的に関わると良い。オープニングパーティは人がたくさん来るので特に良い。何度も足を運んでいれば知り合いも増えてくるし、アーティストになりたいという意思も表明できる。 

多くのアーティストはメーリングリストを買ってギャラリーのオーナーにウェブサイトを見て下さいというメールを出したりして、アトリエにじっとしていれば展示の機会がやってくると思っているがたいていの場合は無駄に終わる。展示の機会を得るというのはそんなに簡単な事では無い。地道に地元のアートイベントに顔を出し続けよう。
どこででも展示をすることから始まって、グループ展に何回も参加して、若手の作品を扱っているギャラリーで1-2回くらい個展をして地元の人々から良い反応を得られるようになっても、ハイレベルのギャラリーに売り込むのはまだ早い。他の仕事と同じようにスタートから一歩一歩進んでいかねばならない。

ハイレベルのギャラリーがどのように扱うアーティストを選ぶのか説明しよう。いきなりギャラリーに来たり他の方法で連絡してきたアーティストを選ぶ事はまずない。単純に好きか嫌いか良いか悪いかで選ぶ事もない。あなたの作品がすごく良かったとしてもそれだけでは選ばれない。作品の質は必要最低限で、経歴、評判、アートコミュニティでの立場、仕事の仕方、今までの売り上げ、以前の展示の批評記事などが吟味される。

ハイレベルのギャラリーはハイレベルのアーティストを扱う。ハイレベルのアーティストとは何か?自分のキャリアを一から自分でこつこつと時間をかけて積み上げて行った定評のあるアーティストである。大事なのがそれらの評判を自分自身の努力で築き上げたということである。ギャラリーはそれらの評判を築く手伝いはしない、今まで築いた評判を少し高めるのに役立つだけである。すべて自分自身の力で築き上げて行かなければならない。

後半ではギャラリーについて自分の経験に基づいて思うことを書いてみようと思います

現代美術作家 シムラヒデミ
主に刺繍糸を素材に作品を制作するアーティスト。大学でファッションデザインを専攻、卒業後3DCG制作の仕事に就く。
2005年より現代美術作家としての活動を開始。デビュー直後にパリで個展を開催する等順調に海外での活動を広げる。2006年より社員旅行をきっかけに好きになった街、上海へ移住。それほど長く住むつもりではなかったものの、リーマンショックによる画廊閉鎖など予想外の展開に翻弄され、7年近く住んでしまう。
2013年12月日本帰国、埼玉県所沢市在住。引き続き現代美術作家として活動。現在、2025年のアーティスト活動20周年の為に作品を作り溜めている。

このブログではアート・文化・歴史に関する考察、自身の活動報告等を投稿しています。
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