ある日の夕方、とある駅前にて若い男性がタバコを吸いながら「死ね、死ね、死ね」と呟いているのを見かけました。私は、この人病んでる…と思うと同時に、大変な世の中になってしまった!と思ったのでした。
この先の分からない不安定な世界で、アートなどというものには何の力も無いような気がすることがあります。それでも、作品を見た時にぱっと明るい気分になってほしいという希望を込めて、今回の作品は「朝焼け」をイメージして作りました。
朝焼けというのは不思議なもので、同じ太陽なのに場所・気温・大気の状態などによって全く違う色合いになります。同じように、私たちもこの世界のそれぞれの場所で、それぞれ違った幸せや悩みとともに生きているわけです。
私が作品を通して世の中のために出来ることはほんの少しですが、この作品を見た人たちが、これから昇っていく太陽を見た時のように、そっと励まされたような気持になってくれればと思います。