男二人女一人のスイス芸術家トリオによるプロジェクト。
まずテンポラリーイミグレーション(一時的移民)っていうタイトルが好奇心をそそる。実際見てみて期待通りの結果。
この三人は通りすがりの移住者です。
異邦への無知と好奇心とを携えて訪れ、文化へのより深い理解と、かけがえのない印象とを手にして、「住み慣れた」日本をあとにするつもりです。お返しにスイス文化やヨーロッパ文化に加えて、これらが三人の五感を彩るすがたも、出来れば紹介してみたいと考えています。(紹介文より)
シルビア・ベッヒュリ(Silvia Bachli)
彼女は一日中ドローイングを何十枚も描いて夕方になるとそのほとんどを捨ててしまうという生活をしている。今回もドローイング作品沢山と日本のあちこちで撮影した写真を展示。沢山描いては気に入ったものだけ取っておくという制作スタイルのせいか洗練された作品構成。
ラーズ・ミュラー(Lars Muller)
ブックデザイナー。私はこの人のことは知らなかったが、この人が手掛けた本を見てあーこれもこの人がやってたのかというものが多かった。家を建築するのと同じ感覚でブックデザインに取り組んでいるそうだ。各本の制作過程に関わるものがアーカイブとして展示されていてミュラー氏の脳内を覗き見ることが出来る。
ベアート・ゾデラー(Beat Zoderer)
私はこの人の作品がお気に入り。
そのへんで売っているような既存のものを材料に作品を作っている。会場で流れていた作品の解説と制作風景のビデオが興味深い。作品のコンセプトについて饒舌に語っていたが、果たして私はこの人と同じくらい上手く自分の作品のことを語ることができるだろうか?シールをぺたぺた貼った平面作品があり「遠くから見るとペインティングに見えるが、近くに来るとシールであることがばれてしまう。そのがっかりする過程が大事」なのだそうだ
しかし、作品解説のビデオは作品を見終わってから見たかったな。入り口で作品解説ビデオを流してはいけない…
私的にはこの展示は★★★★★の内容。会期中は同じチケットで何回でも入場できるので今度はじっくり見に行こう。職場のすぐ近くだから。