マーク•ロスコと私

マーク•ロスコと私  Hidemi Shimura

前に私の作品を見た人から「マーク•ロスコっぽい」と言われた事が2回あったのですが、色数のやたら多い私の作品とミニマルなマーク•ロスコ氏の作品の何処に共通点があるのかさっぱり分からず「????」となったのです。

しかし、現代アートの巨匠という美術出版社から出ている本の中の、マーク•ロスコ氏の言葉を読んでなんとなく分かりました。

「絵を描くことが自己表現に関わると考えたことは、これまでに一度もありません。絵とは、自分以外のひとに向けた世界に関わるコミュニケーションにほかなりません。」

とか

「アーティストのなかには、懺悔でもするように、何もかも語りたがるひとがいます。わたしは職人ですから、話はあまりしたくありません。」

など

の言葉から、なんとなく作品から自我が排除されている所が似ているのかもしれない、と思いました。

しかし、マーク•ロスコっぽいと言った人たちは、私の作品だけを見てすぐに、作品のコンセプトとか説明は一切読んでない状態で言ってたので、作品だけ見て一瞬でそこまで分かっちゃったという事で、恐ろしい洞察力の持ち主だと思います。

こんな感じで作品について言われた事の意味がすぐには分からなくて、何年も経ってからやっと分かることが時々あります。

美術愛好家の人々の中には大量の作品を見たことにより凄い観察力や知識を持っていて、びっくりする感想を言われる事も多々あり、作品について自分でも気付いてなかったことを気付かされる事もあります。

 

 

現代美術作家 シムラヒデミ
主に刺繍糸を素材に作品を制作するアーティスト。大学でファッションデザインを専攻、卒業後3DCG制作の仕事に就く。
2005年より現代美術作家としての活動を開始。デビュー直後にパリで個展を開催する等順調に海外での活動を広げる。2006年より社員旅行をきっかけに好きになった街、上海へ移住。それほど長く住むつもりではなかったものの、リーマンショックによる画廊閉鎖など予想外の展開に翻弄され、7年近く住んでしまう。
2013年12月日本帰国、埼玉県所沢市在住。引き続き現代美術作家として活動。現在、2025年のアーティスト活動20周年の為に作品を作り溜めている。

このブログではアート・文化・歴史に関する考察、自身の活動報告等を投稿しています。
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