上海でタオイズムをテーマにした展示に作品を1点だけ展示しています。
私は最近タオイズムに興味があるので、この展示のコンセプトに賛同しています。下記に展示のコンセプトの日本語訳も載せていますが、本当に最近の世の中では「コスパ・タイパ」の重視など、とにかく「役に立つこと」が重要視されていて、それについていけない人々が自信や心の余裕を失うということが起きていると思います。
そもそも、役に立つことを重視すると、アートというものはこの世に必要のないものになってしまう。しかし、時にはアートを見ることにより脳が活性化され新しいアイデアが浮かんだりもするわけで、アートとはまさに「無用之用」を体現している存在なのだと思う。
「役に立つこと」が重視される世の中で、アートがもたらす心の余裕など、役に立っているかどうかは数値化できないけど人間が人間らしく生活するためには欠かせないものを大切にしていくことが大事だと思います。
无用之用——你在焦虑什么?
The Utility of Uselessness – Why So Anxious?
展期:2025年03月07日—05月04日
艺术家:郑元无、张超级、严泽明、许京甫、吴楠、若冰三干、钱仁衍、马琢然、卢凌宽、李爽、靳兆心、耿心入、范晓东、董晓晨、董建英、陈建周、曹征
主办:叁柒贰叁美术馆
承办:岚艺云画廊
地点:叁柒贰叁美术馆·展厅A|上海浦东新区银城路66号尚悦湾广场2层207
【展示の紹介文より】
あなたの頭の中にも、こんな言葉が浮かんだことはありませんか?
自分に対する不満から、終わりのない自己消耗に陥ってしまう——。
いったい誰が「役に立つ」ということを定義しているのでしょう?「役に立つ」ことが、本当に「良いこと」と同義なのでしょうか?
叁柒贰叁美術館と嵐芸雲画廊がタッグを組み、全く新しいアート展覧会《無用の用——あなたは何に不安を感じていますか?》を開催いたします。
ここでは、あなたの不安を私たちに打ち明けてください。あなたが「無駄」と思っていることが、実は創作の源になっているかもしれません。
一緒に、不安をカラフルな色彩に溶かし込みましょう。筆で「無用」という言葉を解体し、深夜にあなたを襲うあの自己否定を、アートへと昇華させましょう。叁柒贰叁美術館の展示空間で、無限の宇宙を描き出すのです。
昨年のことですが、私はある時期、とても不安を抱えていました。子どもがゲームに夢中になり、学校にも行きたくないという気持ちが強くなっていたのです。最初は時々休む程度だったのが、やがて何日も行かなくなりました。
ある日、彼が落ち込んだ様子でこう言いました。「お母さん、僕ってどうしてこんなにダメなんだろう。勉強もわからないし、特技もない。ゲームがダメだってわかってるのにやめられない。僕、将来どうすればいいんだろう?」
その時、私の心は「ドキッ」としました。驚きと共に、とても切ない気持ちになりました。あんなに自信があった子が、どうしてこんなに自分を否定するようになってしまったのか……。私は「無理に勉強させなければ、楽しく学生生活を送れるだろう」と思っていたのですが、そんなに甘くはありませんでした。
きっと、みなさんもなんとなく感じていると思います。今の社会全体が、何かに急き立てられているようです。「競争」があふれ、親も追い詰められています。「子どもを無理にでも頑張らせる」か、「何もせず諦めてしまう」かの二択になっているような気がします。
今では、若者の間でもうつ傾向が増えてきており、多くの大人も強いストレスを感じています。リラックスしたいのに、気を抜くのが怖い——「役に立たない人」「価値のない人」になってしまいそうで。
でも、「役に立つ」って何?「無用」とは本当に「価値がない」こと?
だからこそ、私たちはアートの名のもとに《無用の用》をテーマとした展覧会を開催します。この問題に対して、みんなで考え、語り合い、そしてアートで表現する場をつくりたいのです。
参加するアーティスト、共創者、そして観客のすべての方が、この展覧会から力を得て、「一見無駄に見えて、実は美しいもの」へと、もっと大胆に向き合えるようになることを願っています。