個展ができるまで④ー個展当日から逆算したスケジュール例

個展ができるまで④ー個展当日から逆算したスケジュール例 現代美術, シムラヒデミ, アーティストのための色々, hidemishimura, fiberart, contemporaryart Hidemi Shimura

個展をセルフプロデュース型で開催する場合の手順をシリーズ記事として説明しています。

前回は「個展ができるまで③-個展準備で必要な作業を書き出してみた」を書きました。今回は必要な作業から逆算して展示までのスケジュールを決める方法を説明します。各工程の細かい説明は、引き続き他の記事に書きます。

半年以上前〜3か月前

企画・準備

  • 会場決定
  • 会場予約
  • 展示タイトル検討
  • 展示コンセプト作成
  • 予算作成
  • 全体スケジュール作成

制作

  • 作品制作開始
  • 必要作品数の確認

この時期は展示の骨格を作る期間です。
作品制作にかかる期間は作品制作の技法によっても、手元にある作品の数によって変わると思います。私の場合、1年前から始めましたが、途中で他にも展示が入ったりして、後ろにずれこんだりして、もっと余裕を持っておけばよかった!と思いました。私の場合は、作品制作が細かい手作業でとても時間がかかるので、2年くらいは見ておくのが安全だと思いました。


3か月前

広報開始

  • SNSで展示情報を少しずつ発信
  • 制作風景の公開
  • 告知計画作成

Web

  • 展示特設ページ準備(必要な場合)
  • 多言語ページ準備(必要な場合)

展示の存在を少しずつ知ってもらう時期です。
私は作品はアナログですが、以前3DCG制作の仕事をしていたので実はデジタルバリバリな人間なので、Webページ制作は自分で出来るため、外注は必要ないのですが、外注すると修正のやり取りなどで時間が予想外にかかったりするので、早めに用意した方がいいと思います。


2か月前

広報

  • プレスリリース作成
  • 掲載媒体リスト作成
  • DMデザイン作成(必要な場合)

会場準備

  • 展示レイアウト検討
  • 映像内容検討(必要な場合)

ここから広報関係の作業が増えてきます。
プレスリリースを書くのはとても大変ですが、自分が個展で伝えたいことを再確認出来るので、書くことをお勧めします。AIの助けを借りてもいいと思います。
DMは最近郵便代が高いため、SNSでの告知やメール送信に移行し、出さないアーティストも結構いるので、制作自体も必要ないと思います。私の場合DMは出しませんが、展示会場で自由に持ち帰れるように小さいフライヤーは作ります。これは、展示前に持ち歩いて会った人に直接渡したりもします。


1か月前

制作

  • 作品制作完了(理想)
  • 額装開始
  • 作品撮影

広報

  • プレスリリース配信
  • DM発送

グッズ

  • 発注完了

個人的には、作品制作はできればこの時点で終わらせておきたいです(でも、いつも終わりません)。額装作業って予想外に時間がかかるので、事前に少しずつ進めたり、余裕を持っておくのがいいと思います。場合によっては外注してもいいと思います。私は額装作業がなぜか一番苦手ですが、作品が糸で出来ていて繊細なので外注出来ないのが辛いです。
作品撮影も自分で撮った場合結構時間かかるし、撮り忘れもあったりするので、早めにやっておきたいです。


2週間前

作品情報

  • タイトル最終決定
  • 作品リスト完成
  • 価格決定
  • キャプション完成
  • ステートメント完成

Web

  • オンラインストア準備(必要な場合)
  • 展示ページ公開(必要な場合)

販売準備

  • 決済手段確認
  • 売約管理表準備

作品以外の情報を整理する期間です。地味に時間がかかる作業ばかりです。
特にステートメント(作品のコンセプト説明文)がなかなか時間がかかります。
オンラインストアは販売目的だけではなく、私は作品情報や売約管理のためにも使っています。


1週間前

広報

  • SNS広告開始
  • 最終告知

会場準備

  • 工具確認
  • 備品確認
  • 特殊金具確認
  • 搬入持ち物チェック

搬入準備

  • 作品梱包
  • 搬入スケジュール確認
  • 設営スタッフ最終確認

忘れ物がないか徹底的に確認します。このあたりになるとかなりテンパってきます。
SNSの広告は結構効果があるので、私は個人的には出すことをお勧めします。コロナ禍あたりからアーティストが個人でも広告を出す事が増えてきましたが、それは私はいい流れであったと思っています。


前日〜搬入日

搬入・設営

  • 作品搬入
  • 開梱
  • レイアウト調整
  • 照明調整
  • 映像設置(必要な場合)
  • 最終確認

設営時間は意外と短いことが多いので、事前準備がとても重要です。


会期中

運営

  • 接客
  • 作品説明
  • 販売対応
  • SNS更新

来場者の反応を直接見ることができる一番楽しい時間です。しかし、セルフプロデュース型個展だと毎日展示会場にいる必要があるので、体力が要ります。毎日色々な人と話すので、アドレナリンが出すぎて、夜中々眠れなくなったりします。


搬出日

搬出

  • 撤収
  • 梱包
  • 積み込み
  • 運搬

搬出時間は基本的に短いので、急いでやらないと間に合いません。手伝ってくれる人が絶対に必要です。


会期後

事務作業

  • お礼連絡
  • 売上集計
  • 発送作業
  • 在庫管理

振り返り

  • 良かった点
  • 改善点
  • 次回への課題整理

展示は搬出が終わっても完全には終わりません。

会期後の振り返りも、次の展示につながる大切な作業だと思います。しかし、大体個展が終わってから1~2週間くらいは疲れがどっと出てぐったりしてます。

スケジュールを作るためには、そもそも何点くらい作品が必要なのかを把握しておく必要があります。次回の記事では、「個展の規模と作品数を考える」について書きます。

現代美術作家 シムラヒデミ
主に刺繍糸を素材に作品を制作するアーティスト。大学でファッションデザインを専攻、卒業後3DCG制作の仕事に就く。
2005年より現代美術作家としての活動を開始。デビュー直後にパリで個展を開催する等順調に海外での活動を広げる。2006年より社員旅行をきっかけに好きになった街、上海へ移住。それほど長く住むつもりではなかったものの、リーマンショックによる画廊閉鎖など予想外の展開に翻弄され、7年近く住んでしまう。
2013年12月日本帰国、埼玉県所沢市在住。引き続き現代美術作家として活動。現在、2025年のアーティスト活動20周年の為に作品を作り溜めている。

このブログではアート・文化・歴史に関する考察、自身の活動報告等を投稿しています。
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