無視したいけど出来ないこと(美大バッシング?)

 RSSリーダーでブログを色々拾い読みしていたらどこかの知らない現代美術作家(ほんとに?)の人が

1、何故アートで飯を食おうとしている人が美大に行くのか分からない。
2、美大なんか学費が高いくせに行っても殆ど役に立たない。
3、公募団体に入る為なら美大に行かねばならないが、コンテンポラリー系の人は行く必要はない
4、美大や予備校が金欲しさに嘘をついてるからか?
5、現代美術は力、資本をうまく繋げる事がポイントで
6、そのことを考えると東大早稲田慶応に行くのが一番有利
とか書いてたんですけど

 何という偏った見方!アーティストってもっとシンプルなものよ?
 確かに現代美術作家にはプレゼン能力やプロデュース力とかも必要だけど、良いものを作らなきゃ売れないというのはどこの業界でも同じ事。アーティストの第一条件は良い作品を作り続けること!力とか資本やらはその結果として後から付いてくるもの。
 私の場合子供の時から家族でどっか行くというと美術館ばかりだったので気付いたら美大に入ってたって感じだけど、そこで学んだことが現在の作品の技法やマテリアルに反映されているので大いに役に立ったと言えよう。とにかく技法に関しては工芸的造形的グラフィック的とにかくたくさんかじってますからね。デザイン課だからちゃんとプレゼン方法とかも学べたしね。
 現代美術だとコンセプト重視でテクニックがおろそかにされがちで、もっともらしい理屈こねくり回してる屁理屈野郎が最近やたら多いんだけど
 アーティストは手を動かしてなんぼだ!ってことを忘れんな!
 豆腐屋がうまい豆腐作らないでどうする?ってのと同じことよ。

 あとねえみんな美大入るために予備校で毎日何時間も絵ばっかり描いてるんだけどその経験も決して無駄にはなってないね。私の物に対する観察力は膨大な時間のデッサンによって培われたんだもの。

現代美術作家 シムラヒデミ
主に刺繍糸を素材に作品を制作するアーティスト。大学でファッションデザインを専攻、卒業後3DCG制作の仕事に就く。
2005年より現代美術作家としての活動を開始。デビュー直後にパリで個展を開催する等順調に海外での活動を広げる。2006年より社員旅行をきっかけに好きになった街、上海へ移住。それほど長く住むつもりではなかったものの、リーマンショックによる画廊閉鎖など予想外の展開に翻弄され、7年近く住んでしまう。
2013年12月日本帰国、埼玉県所沢市在住。引き続き現代美術作家として活動。現在、2025年のアーティスト活動20周年の為に作品を作り溜めている。

このブログではアート・文化・歴史に関する考察、自身の活動報告等を投稿しています。
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