アーティストステートメントの書き方 第2弾

アーティストステートメントの書き方 第2弾 作品説明文, アーティストステートメント Hidemi Shimura

この「アーティストのための色々」のブログ、長い間書くことが無くて記事を更新していませんでしたが久しぶりに投稿します。
久しぶりにアクセス数を見て驚いたのですが、全く更新していなかったにもかかわらず、多くの方に訪問していただいていたようで、とても嬉しいです。

「アーティストのための色々」を書くのに参考にさせていただいているアートコンサルタント Alan Bamberger 氏のサイトを久しぶりに見たらアーティストステートメントの書き方の記事が新しく追加されていたので、概要をざっと訳したものを載せます。
訳が難しいので時々変だったり意訳されてますがその辺はスルーして下さい

青字は私が追加した説明文です。


あなたの作品について興味を抱いた人はたいていサーチエンジンであなたの名前を検索し、ウェブサイトやSNSを発見し作品についての説明を読むことになります。作品の事を言葉で説明する事が好きか嫌いかにかかわらず、作品についての説明文を書く事は遅かれ早かれアーティストが直面しなければならない問題です。なぜなら、あなたの作品について説明できるのはあなただけだからです。

  1. Keep it short. 短い文章で
    さっと読めるくらいの長さの文章にしましょう。150〜250語(半ページ分くらいの長さ)、の文章があれば作品の要点は大体理解できます。
    (英語で150-250語くらいだと日本語だともう少し短いくらいの文章でしょうか)
  2. Keep it simple. 簡潔に
    作品についての基本的な紹介文と作品を理解する手がかりが含まれていれば十分。普段作品を見た人々からよく聞かれる質問と、それに対してどう答えるのが効果的なのかをあなたは既に知っているでしょう。それらの情報を含めることが作品を理解してもらう良いきっかけとなります。
  3. Write for total strangers. 見知らぬ人のために書く
    アーティストとして新しいファンを増やしたいと思うのは普通の事。あなたの作品の事をまだ知らない人には、作品を理解するための手助けが必要です。その人たちのために向けた文章を書きましょう。
  4. Make sure anyone can understand your statement. 誰もが理解できるように
    芸術教育を受けた読者だけが精通している芸術用語や専門用語を使う事は避けてください。誰もがあなたのファン、フォロワー、サポーター、そしてコレクターになる可能性があります。分かりやすいアーティストステートメントは、これらが増える可能性を高めます。
  5. Welcome people to your art. 親しみやすく
    あなたが作品を見る人と積極的に関わり、作品を理解してもらう事を望んでいるという事を表現しましょう
  6. Make it conversational. 会話しているかのように
    あなたが読者の隣に立って、彼らと話しているかのように書いてください。つまり、三人称ではなく一人称で書くことを意味します。自分自身を指すときは、「彼」、「彼女」、「彼ら」ではなく、「私」、「私の」を使用してください。
  7. Answer the question, “What’s in it for me, the reader?” 「鑑賞者から見て、何かが込められているのか」という問いに答える。
    あなたの作品に何かを認識できるものがあることを知った人は、そうでない人よりも、それを探して学ぶことに多くの時間を費やします。
    ※ここの意味は私にもよく分からないのですが、何かしら鑑賞者にとって共感できる内容・関わりのある事柄が含まれている方が作品への興味を引く、という事だと思います。
  8. Stay positive.  ポジティブに
    人々は作品の説明文について考えながら作品を見るので、ポジティブな印象を残すようにしよう。たとえば、「私の作品は苦しみと抑圧に関するものです」と言うのではなく、「私の芸術は苦しみと抑圧に終止符を打つものです」などと言いましょう。
  9. Separate your art out from all other art.  他の作品と区別する
    作品の眼に見えない価値や重要性について説明する。作品のどこが特別で、ユニークで、他の似たような作品にはないものは何なのか? 
  10. Talk about the “more” of your art. 作品について「更に」説明する
    作品を見ただけでは分からない、何を表現し、象徴し、意味しているのかについて説明しましょう。
  11. Make your statement only about you. あなたに関する事だけを書く
    100%あなたの作品についての事しか書かれていないようにする。他のアーティストの名前に言及することは、あなたから注意をそらし、読む人の注意がそちらに向けさせる事になってしまう。
  12. Give readers complete freedom to experience, enjoy, interpret and engage with your art.
    読者にあなたの作品を体験し、楽しみ、解釈し、参加するための完全な自由を与える
    あなたが作品を他の人々にどのように見たり解釈して欲しいのかの要望を伝えるのではなく、あなたにとってどのような意味があるのかを伝えましょう。
    ※作品の見方・感じ方をこちらから指示するのではなく、自由に解釈できる余地を残しておくこと
  13. Don’t critique your art. 自分の作品を批評しないように
    それは批評家や評論家がするべきことです。良いステートメントの目的は、あなたの作品を紹介または説明することであり、主観的に判断したり評価したりすることではありません。事実のみを述べましょう。
  14. If you can’t write or have trouble expressing your art in words, have an art writer write your statement for you.
    自分で書いたり説明するのが難しい場合アート専門のライターに頼もう
    多くのアーティストは、作品の基本的な情報、重要性、または意味を言葉で説明するのに苦労しています。もしあなたもその一人なら、プロの作家を雇うことを真剣に考えてください。

 

私も含めアーティストには人見知りで初対面の人と話すのが苦手な人が多いと思います。あらかじめ展示会場に説明文を貼っておいて読んでもらうことにより、口頭で作品を説明するプレッシャーを減らすことが出来、更に説明文を見ながら鑑賞者と話すことにより新たな質問を聞かれたり、作品についての話が広がるきっかけになります。なので、文章を用意しておくことは内気な人には特におすすめです。

前に書いたアーティストステートメントの書き方の記事も良ければ参考にしてみて下さい。でも、今回の内容の方が大分分かりやすいと思います。

 

現代美術作家 シムラヒデミ
主に刺繍糸を素材に作品を制作するアーティスト。大学でファッションデザインを専攻、卒業後3DCG制作の仕事に就く。
2005年より現代美術作家としての活動を開始。デビュー直後にパリで個展を開催する等順調に海外での活動を広げる。2006年より社員旅行をきっかけに好きになった街、上海へ移住。それほど長く住むつもりではなかったものの、リーマンショックによる画廊閉鎖など予想外の展開に翻弄され、7年近く住んでしまう。
2013年12月日本帰国、埼玉県所沢市在住。引き続き現代美術作家として活動。現在、2025年のアーティスト活動20周年の為に作品を作り溜めている。

このブログではアート・文化・歴史に関する考察、自身の活動報告等を投稿しています。
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