アートと行動経済学⑩ ロングテール理論とミクストメディア作品

アートと行動経済学⑩ ロングテール理論とミクストメディア作品 隙間産業, 現代美術, ミクストメディア, ニッチマーケット, アートと行動経済学, アーティストのための色々 Hidemi Shimura

前回、「アートと行動経済学(番外編) 市場の飽和やトレンドの急落の打開策」について書きましたが、今回はもっと実物を見ないと分かりにくい系の作品について書きます。
私の作品のような実物を見ないと伝わらない系のミクストメディア系作品は、現代美術の中でもニッチ・マーケット(隙間産業)に属しており、決してブームにはならないけど、常に一定の愛好者がいてくれるので廃れもしない、というある意味気楽な謎のポジションにいます。
「アートと行動経済学」の視点から、それはいったいどういう事なのかを書いてみます。今回も
私の指示によりChatGPTに書いてもらった文章に私が考察を付け足す、という構成になっています。

ロングテール理論とミクストメディア作品について:
現代美術におけるミクストメディア作品がニッチなマーケットで、一定の愛好者や購入者が常に存在するという現象は、行動経済学の観点からも説明可能です。このような市場の安定した需要には、以下のような行動経済学の要因が影響しています。

  1. ロングテール理論: ミクストメディア作品のようなニッチな製品やサービスは、大量消費商品と異なり、少数の熱心な愛好者に支えられています。ロングテール理論によれば、インターネットやグローバルな市場の拡大により、こうしたニッチ市場でも十分な需要が存在し得るのです。つまり、少数の購入者が定期的に作品を購入することで、一定の売上が確保されるという現象です。
  2. 消費者の個別嗜好: 消費者の嗜好は多様であり、全員が同じトレンドに従うわけではありません。特に芸術においては、個々の消費者が自分の趣味や価値観に合った作品を求める傾向が強くあります。ミクストメディア作品は、その独自性や多様な表現方法から、特定の嗜好を持つ消費者に対して強い訴求力を持ちます。
  3. 社会的アイデンティティとコミュニティ: 芸術作品はしばしば消費者の社会的アイデンティティの一部となります。ミクストメディア作品の愛好者は、自分たちの嗜好や価値観を共有するコミュニティを形成し、そのコミュニティ内での相互支援や情報交換を通じて、作品の購入を続けることがあります。行動経済学では、こうしたコミュニティの影響力が消費行動に大きく寄与することが知られています。
  4. アンカー効果と既存の認知: 消費者が一度特定のアーティストやスタイルに親しむと、その後も同じアーティストの作品を購入し続ける傾向があります。これをアンカー効果と呼びます。ミクストメディア作品の愛好者は、既に知っているアーティストやスタイルに対する信頼感から、継続的に作品を購入する傾向があります。

これらの行動経済学の要因を考慮すると、ミクストメディア作品がニッチなマーケットで安定した需要を持つ理由が理解できます。アーティストとしては、この市場の特性を理解し、愛好者との関係を深めることで、さらに持続可能なキャリアを築くことができるでしょう。

ニッチなマーケットを好む人々にはいくつかの共通した特徴があります。これらの特徴は、アート愛好者の場合にも当てはまります。以下に、ニッチなマーケットを好む人々の特徴と、アート愛好者の具体例を挙げます。

ニッチなマーケットを好む人々の特徴

  1. 個性を重視する: ニッチなマーケットの消費者は、一般的な商品やサービスでは満足できず、自分の個性や独自性を反映するものを求めます。彼らは他人とは違う選択を好み、独自のスタイルや嗜好を持つことに誇りを持っています。
  2. 知識欲が旺盛: ニッチな市場の愛好者は、その分野に対する深い知識と理解を持っていることが多いです。彼らは情報収集に積極的で、新しい製品やアーティストについても詳しいです。
  3. コミュニティ志向: 同じ嗜好や興味を持つ人々とのコミュニティを大切にします。これにより、情報交換や意見共有を行い、さらに深い理解と楽しみを得ています。
  4. 高い価値感: ニッチな市場の製品やサービスに対して、高い価値を見出します。品質、オリジナリティ、希少性など、一般的な市場にはない価値を重視します。
  5. 探究心が強い: 常に新しいものや独自のものを探し求めています。これは、単に流行に従うのではなく、自分自身の好奇心や探求心に基づいた選択をすることを意味します。

これらの特徴を持つ人々が、ニッチなアートマーケットを支えているのです。アーティストとしては、こうした愛好者のニーズや嗜好を理解し、適切に対応することで、より深い関係を築くことができるでしょう。

私からの考察:
私が今までアーティストを続けてこれたのは、「ロングテール理論」のおかげだったのだと気づきました。
普段作品を展示していて、多くのアーティストが展示するグループ展の場合、7-8割の人が私の作品が糸で出来ていることに気づかないです。その反面、作品を見てすぐに糸で出来ていることが分かってしまう方々もいます。更にその中の何割かは作品をすごく気に入って熱狂的な反応を示してくれることがあります。つまり、振れ幅が大きいです。(個展を見に来てくれる方は元々糸で出来ていると知っているので、当てはまらない)
作品を見てすぐに糸だと分かる方は、元々質感のあるタイプの作品が好きで、普段そういう作品を見慣れているからだと思います。

上の文章を読むと、ニッチな市場に属する作品は、特定の場所での知名度を上げようとするより、色々な都市で展示するようにした方が良いのかな?と思いました。

私もまた色々な場所で展示するように、方向性を変えて行こうと思いました。

今回で「アートと行動経済学」の記事は終わりです。最後は自分のための記事を書いて見ました。一連の記事は自分が書きたかったから書いてみただけですが、何かのお役に立てれば幸いです。

その他のアートと行動経済学に関する記事は https://hidemishimura.com/tag/behavioral-economics/ より是非見てみて下さい。