アートと行動経済学⑧ ピーク・エンドの法則と展示の記憶

アートと行動経済学⑧ ピーク・エンドの法則と展示の記憶 現代美術, キュレーション, アートと行動経済学, アーティストのための色々 Hidemi Shimura

去年辺りから流行っている行動経済学について、「アートと行動経済学は意外と関係があるらしい」という事をアーティストの目線から検証していく記事、8件目は「ピーク・エンドの法則と展示の記憶」についてです。私の指示によりChatGPTに書いてもらった文章に私が考察を付け足す、という構成になっています。

ピーク・エンドの法則と展示の記憶について:
現代美術の展示において、来場者の体験を深く印象付けるためには、ピーク・エンドの法則が有効なツールとなります。この法則は、体験全体の印象はそのピーク時と終了時の印象に大きく左右されるというものです。行動経済学の観点から見ると、この法則を展示の設計に応用することで、来場者の記憶に残るような体験を提供することが可能です。

まず、ピーク・エンドの法則は、体験の「ピーク」と「終了」が記憶に与える影響が大きいという点が重要です。展示のピークとは、最も印象的で感動的な部分、例えば特に美しい作品や驚くようなインスタレーションなどです。一方、終了時の印象は、体験全体のどの部分よりも記憶に残りやすくなります。展示が終わる瞬間に何か特別な体験や感情を呼び起こすことが、来場者の満足度や記憶の定着に大きく寄与します。

具体的には、以下のような方法でピーク・エンドの法則を展示に活用することができます。

  1. ピークの演出: 展示の中で特に印象的な作品やインスタレーションを設け、来場者がその部分で最も強い感動を得られるよう演出します。例えば、展示の中心に配置する、特別な照明や音響効果を加えるなどの工夫が有効です。
  2. 終了時の演出: 展示が終了する際に特別なエンディングを設けることで、来場者に深い印象を残させます。例えば、感動的なフィナーレや特別なライブパフォーマンスを計画することが考えられます。
  3. 展示の流れの設計: ピークと終了の体験を自然に体感できるよう、展示の流れやルートを設計します。来場者が展示を体験する順序やタイミングを意識的に誘導することが重要です。
  4. インタラクティブ要素の導入: 来場者が展示を通じて自らの体験を形作ることができるインタラクティブな要素を取り入れることで、ピーク・エンドの法則を強化することができます。例えば、触れることができるインスタレーションや対話型の展示などが考えられます。

私からの考察①:
なんだかすごく良い事を言ってる気がします。
展示の中盤と最後に盛り上がる要素を入れよう!という事でした。展示に対してやる気が湧いてきました。
でもこれは、個展の場合でしょうか?グループ展の時はどうするんでしょう?
展示を企画する立場からすると、どの作品も印象に残るような展示構成にしたいと思いますよね。というわけで、追加でChatGPTに解説してもらいました。

グループ展の場合の応用方法:
グループ展の場合、展示全体の印象を強化しつつ、個々の作品がしっかりと記憶に残るようにするためには、いくつかの戦略を組み合わせることが有効です。ピーク・エンドの法則を適用しつつ、各作品が最大限に引き立つようにする方法を考えてみましょう。

  1. 展示のテーマを明確にする
    まず、展示全体のテーマを明確に設定し、それに沿った展示構成を作ります。テーマに沿った展示は、来場者が展示の流れを理解しやすくし、個々の作品の意味や文脈をより深く感じてもらえます。
  2. キュレーションによるストーリーテリング
    展示のキュレーションを通じて、来場者に一連のストーリーを体験させるように構成します。各作品がストーリーの一部として機能し、来場者が作品を順番に鑑賞することで、全体的な体験が一貫したものとなります。
  3. 作品の配置と流れの工夫
    個々の作品が最も効果的に見えるように配置しつつ、展示全体のピークと終了を意識して構成します。例えば、以下のような配置を考えます:
    導入部: 展示の最初に、テーマやコンセプトを伝えるイントロダクションを設け、来場者の興味を引きます。
    中盤のピーク: 展示の中盤に、特に印象的な作品を配置します。これは個々の作品であっても、グループ展全体のピークとなるように工夫します。
    終了部: 展示の最後に、全体をまとめる印象的な作品や体験を配置します。これにより、展示の終了時に強い印象を残します。
  4. インタラクティブ要素と鑑賞体験の強化
    来場者が展示全体を通じて積極的に関与できるよう、インタラクティブな要素を取り入れます。例えば、以下のような工夫が考えられます:
    対話型展示: 来場者が作品について意見や感想を述べるスペースを設けたり、インタラクティブな質問や投票を通じて参加できる要素を加えます。
    触覚的な体験: 触れることができるインスタレーションや、視覚だけでなく他の感覚も使った体験を提供します。
  5. ライティングと音響の活用
    ライティングや音響効果を使って、個々の作品の印象を強化します。適切な照明や背景音楽、効果音を使うことで、作品の雰囲気やメッセージをより強く伝えることができます。
  6. 作品間のスペースと休憩エリア
    展示作品間に適度なスペースを設け、来場者が一つ一つの作品をじっくりと鑑賞できるようにします。また、展示の中に休憩エリアを設け、来場者が体験を整理し、次の作品に向けて気持ちをリセットできるようにします。

グループ展において、ピーク・エンドの法則を活用しつつ、個々の作品の印象を深めるためには、テーマの明確化、ストーリーテリングによるキュレーション、配置と流れの工夫、インタラクティブ要素の導入、ライティングと音響の活用、そして休憩エリアの設置が効果的です。これにより、来場者は展示全体を通じて一貫した体験を得ることができ、個々の作品も強く印象に残るでしょう。

私からの考察②:
これを読んでグループ展をやりたいような気分になってきました。
特に、「6.作品間のスペースと休憩エリア」の部分が良い事を言っている気がします。確かに、グループ展の場合、展示スペースの関係で、各作品やアーティスト間のスペースが無い場合もありますが、やっぱり無理矢理でも間を少し開けた方が良いのだろうか…と思います。
あと、やっぱりちゃんとキュレーションをして、明確なテーマを打ち出すのは大事なのだなと思いました。良さそうで売れそうな物を集めて良い感じに配置して、好きなのを選んで買ってください!みたいな方法は、普通の商品では大丈夫なのに、美術作品の展示ではダメな感じになってしまうので、展示を企画するのは本当に大変だなと思います。

次は、「バンドワゴン効果と流行の衰退」について書きます。

その他のアートと行動経済学に関する記事は https://hidemishimura.com/tag/behavioral-economics/ より是非見てみて下さい。