この「メモリーエングラム -記憶の痕跡-」シリーズの、ソフトスカルプチャーのインスタレーション作品を近々広州にて展示する予定です。
メモリーエングラムシリーズは2021年11月に愛猫のネネコさんを亡くしたショックから誕生したシリーズで、コンセプトは以下のようなものです。
コンセプト
私は上海で拾った猫をずっと飼っていて、とても可愛がっていましたが、去年の11月に亡くなり、深い悲しみに包まれました。しかし、その直後、私は彼女の表情や動き、肌の感触など、細かい部分をはっきりと思い出せない事に気づきました。それは一時的なショックによるものだったようで、数日後、彼女の思い出が少しずつ頭の中に浮かんできたのですが、それはとても断片的で、私は人間の記憶の儚さに気づきました。
“メモリーエングラム “とは、物理的な物質に刷り込まれた認知情報の単位です。私たちの記憶は、脳の奥深くにある神経細胞に記録されており、ある風景や音、匂い、触覚など、第六感への何らかの刺激により思い出されます。
脳についてはまだ未知の部分が多いのですが、脳の中は一つの宇宙に匹敵するとさえ言われています。すべての生物が現実的に物体としてこの世に存在できるのはわずかな期間です。しかし、亡くなった人の記憶が誰かの脳の奥深くに残っている間は、その人はまだ宇宙に存在しているようなものです。
そして、私たちの体はゆっくりと素粒子に分解され、他の物体に生まれ変わります。そしてまた新しい記憶を作り、何度も繰り返される誕生と分解の歴史は永遠に続いていきます。
このシリーズは、記憶を失うことへの恐怖と、愛猫を失ったことで得た気付きを残すために制作しました。
ソフトスカルプチャーのインスタレーション作品は、観客が直接触って柔らかい手触りを楽しめるものになっています。
在りし日のネネコさん、ぽっちゃりしていました。
ネネコさんは上海で拾った猫で、私が作品を作る時は膝の上にいて、PCを使うときはキーボードと私の間に寝ている、というような状態で私にとっては特別な猫でした。
そして、この作品が誕生したときはまだコロナ禍中だったため、何か人々に癒しを与えるようなものを作りたいとも思い、このような巨大なぬいぐるみ型の作品を作りました。
この作品は、広州の後、7月末の東京での個展でも展示しますので、その時にも是非ご覧いただければと思います。
広東国際芸術週(Guangdong International Art Week)内の
「芸・無界」という企画展にて出展いたします。
日時:
VIPプレビュー 2025年05月16日(金)10:00-19:00
一般公開 2025年05月17日(土)— 05月18日(日)10:00-18:00
2025年005月19日(月) 10:00-17:00
場所:南豊国際会展中心(南丰国际会展中心) 广州市海珠区新港東路630-638号(広交会展館の隣、地下鉄 新港東駅F出口)
入場料:68元
インスタレーションの他にも、平面作品も数点出展いたします。
会場面積10,000平米の見ごたえのあるアートイベントとなりますので、現地にいらっしゃる方は是非いらしてください。
VIPチケットがいくらかありますので、もしご興味のある方は お問い合わせフォーム やSNSのDMより私に直接ご連絡ください。