上海額縁事情-紅木の額縁

上海額縁事情-紅木の額縁  Hidemi Shimura

上海額縁事情-紅木の額縁  Hidemi Shimura上海額縁事情-紅木の額縁  Hidemi Shimura縦に長いモノクロの作品のために上海で紅木製の額縁を注文しました。普段使ってる箱型の白い額縁は毎回同じところに注文してますが、今回は特殊なタイプなので違うところに頼みました。

もともとこの作品には角がカーブしたアジアっぽい額縁を使いたかったのですが、この額縁は普通の額縁より作るのに時間がかかり10日ほどかかるため、前に額縁を作ったときは日数に余裕がなかったのでやむを得ず普通の額縁を使っていました。

その額縁が傷んだので作り直す必要があり、せっかくなので今回はこちらの額縁にしようと思ったわけです。

ネットで調べたら家の向かいに1987年創業の額縁屋さんがあったのでここなら大丈夫そうと思って行ってみました。

今日は額縁を作る本人は不在で奥さんが店番をしていたのですが、どう見ても額縁について全然分かってなく「大丈夫?」と思いました。しかし、飾られている見本を見てみるとしっかりした出来なので大丈夫だろうと思い…

材質を選んで大きさを伝えて見積もりを頼んだら「分からないから旦那に電話で聞いてみるわ。」となり、電話で一生懸命説明してるんだけど「額縁の寸法が440ミリと1110ミリで…」「え?410センチと110センチ?」のような会話が繰り広げられ(この人たち夫婦なのに数字すら通じないってどういうこと!?)と思いました。しまいには、受話器を渡され「あなた自分で説明して!」と言われ、(私だともっと通じないと思いますけど!)と思ったけど、頑張って説明しました。

苦労の末無事見積もりも注文も済ませることが出来ましたが、私が使ってる額は内側に空間のある浮かし額(立体額)という特殊なものなので、一応見本としていつも使ってる額も置いてきましたが、うまく伝わったか心配です。明日は旦那さんがいるそうなのでまた念押しに行ってみようと思います。

思えば上海に引っ越した頃は良い額縁屋もどこで材料を買えるかも分からず、全部1から探さねばなりませんでした。今はいつも頼んでる額縁屋さんもあるし、大体上海のどこに何が売ってるかも知ってるし、色々ネットでも買えるしあまり大変な思いをしなくてもすむようになりました。

中国ではよく街中でも紅木家具という看板のついた家具屋を見かけますが、深紅やこげ茶の木を使った中華風高級家具の事です。紅木とはWikipediaによるとインド・スリランカ原産の高級木のことを指すのですが、中国ではもっと広い意味でコウキ(檀香紫檀)、カリン、シタン、タガヤサン、アフリカシタンなどの高級木一般を指すらしいです。中国での高級家具人気による需要が増えたため価格が上昇しているそうです。どうりで、数年前に比べて随分値上がりしてると思いました。(中国はインフレで物価が上昇中というのもありますけど。)

この木は時間が経つにつれて熟成されて色が変化していくタイプなので、この額縁も大事に扱えば何十年も?使えるようになると思います。とりあえず、出来上がりが楽しみです。

11/12追加:額縁はきちんと出来上がっていて家までちゃんと届けてもらえました。紅木製(私はクルミの木を選びました)なので普通の額縁の2倍くらい重いです!でも、しっかりした出来上がりで安心しました。

上海額縁事情-紅木の額縁  Hidemi Shimura

現代美術作家 シムラヒデミ
主に刺繍糸を素材に作品を制作するアーティスト。大学でファッションデザインを専攻、卒業後3DCG制作の仕事に就く。
2005年より現代美術作家としての活動を開始。デビュー直後にパリで個展を開催する等順調に海外での活動を広げる。2006年より社員旅行をきっかけに好きになった街、上海へ移住。それほど長く住むつもりではなかったものの、リーマンショックによる画廊閉鎖など予想外の展開に翻弄され、7年近く住んでしまう。
2013年12月日本帰国、埼玉県所沢市在住。引き続き現代美術作家として活動。現在、2025年のアーティスト活動20周年の為に作品を作り溜めている。

このブログではアート・文化・歴史に関する考察、自身の活動報告等を投稿しています。
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