ふと気づいたら本格的に作品発表を初めてから今年で大体10年になるので、記念に色々な思い出をすこしづつ発表しようと思います。7年間の上海生活も含めて、良い話から悪い話まで今までここには書いてなかったことが色々あって、そろそろ時間も経ったから書いても良いかなあ?と思う事があるのです。思いついた順に書くので時系列には沿ってません。
第一弾は「上海でグループ展に参加したけど見に行ったら入口が閉まってて前で若者たちがバドミントンをしていたお話」を発表します。これを読めばなぜ私が貸し画廊とかお金を払って参加する展示が基本的に嫌いなのか?というのが分かってもらえると思います。
私がまだ作品の発表を始めたばかりの頃、多くの日本人アーティストと同じく私も作品を発表するにはお金を払って場所を借りるしか無いと思っていた時期がありました。海外にはコマーシャルギャラリーしか無く、場所代は必要ないということをまだ知らなかったのです。
当時はまだ上海に住んではなかったですが、上海のとある大学の展示スペースで展示の話があり、日本と中国のアーティストたちが全部で30人位展示に参加しました。日本人の参加者はみんな数万円ずつ出展料を払って参加していて、その中の何人かは現地にも来ていました。
オープニングパーティは無事済んで主催者も含め他の人達はみな日本に帰ってしまったのですが、私はまだいたので中国に住んでいた友人何人かとその後にも展示を見に行ったのです。
そしたらなんと展示会場は鍵がかかっていて開いてないし、おまけに前で学生たちがバドミントンをしてました…
一緒に行った友人たちは中国語が流暢だったので、管理人に聞き鍵を持ってる人に電話してくれたのですが、
「えー?今日は日曜日だから開いてないよー」みたいな話。
そこを友人が頑張って「せっかく遠くから見に来たんだから開けてちょうだい!」みたいな感じで頼み込んでわざわざ来てもらって開けてもらったのです。
その日はまあ無事に展示は見られたし、日曜だったから仕方ないかということになったんだけど、その後にも他の人が行ったらやっぱり開いてなかったという…
その管理不行き届きぶりに怒った私は、他の出展者たちに「会場開いてなかったんだから主催者に文句言って出展料を返してもらおう!」と言ったんだけど、他の人達は???みたいな反応で、むしろ怒ってたのは私だけだったという…
私は「あれ?これって怒るポイントじゃないのかな?私ってひょっとして短気すぎるのかな?」とか、「みんな結局お金払って海外での展示歴が一つ増えればそれでいいのか?」とか当時は悶々と考えたものです。
もしもお金を払って参加したんじゃなかったら単なる笑い話で済むかもしれないけど(実際鍵開けてもらうまでのやりとりとかちょっと面白かったし)、何万円も払ってるのにこれじゃあ普通怒るんじゃないか?と私は思ったけど、他の参加者はそうでもないらしい…
幸い上海に引っ越した後からは、展示会場が開いてないという目には一度も遭ったことがなかったんだけど(というかいくら中国でもさすがにこんな事はめったに無いと思う)、展示する会場によっては有り得る話です。この場合はやはり、お金を集めて主催するのなら主催者は搬入から搬出まできちんと責任を持って管理するのが当然です。