去年辺りから流行っている行動経済学について、「アートと行動経済学は意外と関係があるらしい」という事をアーティストの目線から検証していく記事、3件目は「選択のパラドックスと展示構成」についてです。私の指示によりChatGPTに書いてもらった文章に私が考察を付け足す、という構成になっています。
選択のパラドックスと展示構成について:
現代美術の展示を計画する際、どれだけ多くの作品を展示するか、どのように配置するかは重要な決定事項です。行動経済学の知見を取り入れることで、来場者の体験を向上させることができます。今回は「選択のパラドックス」を使った展示構成についてお話しします。
選択のパラドックスとは、選択肢が多すぎると逆に選択が難しくなり、満足度が低下する現象です。これを展示構成に応用することで、来場者がより集中して作品を鑑賞できる環境を作り出すことができます。
まず、展示する作品の数を適度に絞り込むことが大切です。あまりにも多くの作品を一度に展示すると、来場者はどれを鑑賞すべきか迷ってしまい、結果的に疲れてしまうことがあります。選択肢が多いと、それぞれの作品に対する注意や感動が分散されてしまうのです。
例えば、20点以上の作品を一度に展示する代わりに、10点程度の作品を厳選して展示する方法があります。このように選択肢を絞ることで、来場者は一つ一つの作品に対してより深く向き合うことができ、展示全体の満足度が向上します。
さらに、展示に明確なテーマやストーリーを持たせることも効果的です。テーマを設定することで、来場者は作品をより一貫した視点から鑑賞することができ、選択の負担が軽減されます。例えば、「自然の美」をテーマにした展示では、自然を題材にした作品だけを集めることで、来場者は一貫したテーマを通じて作品を楽しむことができます。
また、展示空間のレイアウトにも工夫を凝らすことで、選択のパラドックスを軽減することができます。作品をカテゴリーごとにグループ化し、それぞれのグループにテーマを持たせることで、来場者が自分の興味に応じて鑑賞する順序を決めやすくなります。これにより、選択の負担が軽減され、鑑賞体験が向上します。
オンライン展示でも同様の原則が適用されます。ウェブサイトやオンラインギャラリーでの作品紹介においても、選択肢を適度に絞り込み、明確なテーマを設定することで、訪問者の満足度を高めることができます。また、作品をカテゴリーごとに整理し、訪問者が簡単にナビゲートできるようにすることで、オンラインでも充実した鑑賞体験を提供できます。
私からの考察:
私が読んだ本の中には、人は6つ以上の選択肢があると、どれを選んでよいか分からなくなってしまう、と書いてありました。ですが、展示作品を6点以下に絞るのは結構難しいと思います。
数を絞るのが難しい場合も、上の文章にあるように、カテゴリー毎に分けて展示すれば大丈夫で、例えば、作品シリーズだったり、作品の色合いだったり、サイズだったり、特徴毎に分けて展示すればまとまりが出るという事ですね。
私自身は、数年前に作品のシリーズが増えすぎて、どう展示をしたらよいのか分からなくなって迷走した時期がありました(画像参照)。私のように作るのに時間がかかるタイプの作品はサイズが小さめの作品が多いので、展示作品の数も多くなりがちです。見る方によってどのシリーズの作品を好むかは異なるので、出来るだけ全シリーズ展示したいけど、スペースは限られるし、どうしよう!という感じでした。未だに難しい問題です。
しかし、複数のシリーズを展示する事で、異なるシリーズから複数の作品を選んで購入してくれる方もいたりするので、やっぱり色々なシリーズの作品を展示したい、と思ってしまいます。
あと、ギャラリーとしては販売に適した作品を展示して欲しいと思うのは当然ですが、アーティストの立場から言うと、少しくらい実験的な作品も展示に入れさせて欲しい、と思います。実験的な作品は売れにくいかもしれないけど、新しい要素を常に取り入れるのは、作品のクオリティや表現の幅を広げるために絶対必要だと思うし、展示をして色々な人の反応を見ることで、作品が更に進化する事に繋がるからです。
次は、「フレーミング効果と作品の説明」について書きます。
その他のアートと行動経済学に関する記事は https://hidemishimura.com/tag/behavioral-economics/ より是非見てみて下さい。