アートと行動経済学⑨ バンドワゴン効果と流行の衰退

アートと行動経済学⑨ バンドワゴン効果と流行の衰退 現代美術, バンドワゴン効果, アートと行動経済学, アーティストのための色々 Hidemi Shimura

去年辺りから流行っている行動経済学について、「アートと行動経済学は意外と関係があるらしい」という事をアーティストの目線から検証していく記事、9件目は「バンドワゴン効果と流行の衰退」についてです。私の指示によりChatGPTに書いてもらった文章に私が考察を付け足す、という構成になっています。

バンドワゴン効果と流行の衰退について:
現代社会では、ある日突然、一部のトレンドや流行が急速に衰退することがあります。この現象を理解するためには、行動経済学と大衆心理学の観点からそのメカニズムを探ることが重要です。以下に、その背景と理由について掘り下げていきます。

  1. バンドワゴン効果の限界: トレンドや流行が急速に広がるのは、バンドワゴン効果が働いているからです。人々は群れをなして特定の行動や商品に追随する傾向がありますが、ある程度の飽和状態に達すると、新しい刺激や興味を求めるために新たな方向にシフトすることがあります。これにより、一気にトレンドが終焉を迎えることがあります。
  2. 情報の鮮度と価値: 大衆心理学では、情報の新鮮さや価値が重要な要素となります。一部のトレンドは最初は革新的で目新しいものとして受け入れられますが、時間が経つにつれてその価値や意義が薄れ、新たな情報や興味深いトピックが現れることで置き換えられることがあります。
  3. 社会的影響力とメディアの役割: メディアやソーシャルメディアの普及により、トレンドや流行の広まり方が大きく変わりました。特定の話題や商品がメディアで取り上げられ、それが大衆の注目を集めることで急速に普及することがあります。しかし、同時にメディアの関心が移り変わることで、トレンドが急速に衰退することもあります。メディアの役割や影響力がトレンドの生死にどのように関与するかを理解することが重要です。
  4. 心理的な満足度と新奇性: 行動経済学では、人々の消費行動や選好には心理的な要因が大きく影響します。新しいトレンドや流行が提供する満足感や興奮は、一時的なものであり、その新奇性が失われると共に興味も薄れることがあります。これが急速な終焉につながる要因の一つです。
  5. 競争と進化: 市場や文化の中で競争が常に起こり、それによってトレンドや流行が生まれ、また終焉を迎えることがあります。特定のトレンドが市場で他の選択肢に取って代わられる場合や、競合が新たな革新を提案することで、急速なトレンドの変化が起こることがあります。

例えば、あるアーティストが急速に人気を博し、その作品が特定の市場で大きな注目を集め、完売という成果を収めることがあります。この時、バンドワゴン効果や情報の伝播が作用し、多くのコレクターや投資家がその作品に魅了されます。しかし、同時に、その作品が市場で過度に評価されたり、特定のタイミングで注目が集中しすぎることで、市場の飽和や新たな関心事の出現がトレンドの急落を招くことがあります。

アーティスト自身も、市場の動向や社会的な影響力を考慮する必要があります。持続可能なキャリアを築くためには、長期的な視野と市場の変化に対する適応能力が不可欠です。また、トレンドの終焉は必ずしもアーティスト個人の能力や作品の価値に問題があるわけではなく、市場のダイナミクスや社会的な嗜好の変化が影響していることも理解しておくべきです。

市場の変動に敏感でありながらも、自身の芸術的なビジョンを大切にすることが、アーティストにとって重要な課題となるでしょう。

私からの考察:
ここ数年で特に流行のサイクルが早くなっている気がします。「ヒトは7年で脱皮する 近未来を予測する脳科学」という本では、流行のサイクルは7年毎で、更に大きなサイクルが7×7=49年に一度起きると言っています。しかし、最近はもっとサイクルが早くなっていて、一部のアーティスト達もその流れに巻き込まれてしまっていると思います。

それぞれの商品(作品)に対する需要は常に一定数で、結局のところ急速に知名度を得るか、徐々に知名度を得るかのどちらかでしかないのではないかと、最近感じる事があります。
例えば、あるアーティストのポテンシャル・バイヤー(潜在的購入者)が関東圏に1000人いたとして、

  • 急速に知名度が向上し、作品購入待ちの人が急速に増える
  • 需要にこたえるため急いで作品を量産する
  • 作品はしばらく完売状態になるが、1000作品目を販売した後に突然需要が無くなる

という事も起こり得るのでは?と思うと、恐ろしいです。しかし、知名度が向上すること自体は良い事なので、市場の飽和やトレンドの急落に対する打開策についても次の記事で書いてみました。

その他のアートと行動経済学に関する記事は https://hidemishimura.com/tag/behavioral-economics/ より是非見てみて下さい。