サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在までを見に行ってきました。
まだ森美術館の展示しか見ていませんが、とてもお勧めなので行こうかどうしようか迷ってる方は是非行ってみて下さい!
この展示の関連イベントのレクチャー、「比較の難しさ:東南アジア地域をキュレーションするための調査、テーマ、その他の方法」にも参加してきました。ここ20~30年くらいの東南アジアの現代美術関連の展示の流れ(主にフィリピン、シンガポール、インドネシア等)についてスライド画像を使用しながら説明され、なるほどーと思いました。
特に、日本では東南アジア関連の展示は福岡で行われる事が多く(今でも福岡は日本におけるアジアの玄関のような感じがありますね)、東京で今回のような東南アジアの現代美術の展示が行われるのは20年ぶり?で、更に森美術館の入場者の60パーセントが40代以下である事から、ほとんどの人にとって東南アジアの現代美術を見るのは今回が初めてである事を踏まえ、どのような展示の構成にするかを考える必要があった、という点が興味深かったです。
中には美術的観点からみれば技術的に稚拙な作品もあるかもしれないが、今回の展示では東南アジアの現在の文化的・政治的背景を伝えるという事に重点を置き、そういった作品も意図的に混ぜているとの事。
私が東南アジアの現代美術に興味を持ったのは、おそらく7-8年くらい前に上海で見てからだと思います。
当時 SH contemporary というアートフェアが毎年行われていて、最初の頃は欧米からの参加ギャラリーが多かったのが、回数を経るごとに段々東南アジアのギャラリーの参加が増えてきて、その時に見た作品の新鮮さにびっくりして東南アジアのアートが大好きになりました。
東南アジアの現代美術は、結構政治や消費社会を風刺したような作品も多いのですが、どちらかというとユーモラスに笑い飛ばすような明るい作品がほとんどなので、見ていて楽しくなります。
時々美術館できれいな作品ばかりたくさん見ているとすごく疲れてしまう事はありませんか?
今回の展示では作品を見て頭が疲れてしまう感じはしないので、「美術館は行ってもいいけど難しい作品は今は見たくないなー」という人にもお勧めです。
私も一応現代美術作家ですが、一度に大量の作品を見た時は脳みそがとても疲れます。
作品を見慣れてる人が見ても疲れるんだから、普段あまり美術館とかギャラリーとか行かない人が作品を見て疲れてしまうのは普通です。
なんとなくアートって一生懸命頑張ってじっくり見て理解しないといけないもの、というイメージが強いと思うのですが、疲れちゃったら座ってぼーっと見てみるとか、ササッと流して見てみるとか、本来はもっと自由な見方をして大丈夫なものなのです。
意味が分からないと思ってササッと流して見ていた作品が、なぜか数年後に突然意味が理解できるようになることもあります。
たぶんそういう点が現代美術が好きな人が夢中になってしまう理由の一つなのではないかと思います。