昨年の個展「Visionaire Thread 幻視の糸」から、気が付けばずいぶん時間が経ちました。
会場へ足を運んでくださった皆さま、作品をご覧いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
個展後はしばらくブログの更新も止まっていましたが、現在は病気の治療を続けながら生活しています。
そのため展示活動についてはしばらくお休みする予定ですが、治療は順調に進み、体調も少しずつ回復に向かっています。
以前と同じペースで活動することはまだ難しいものの、作品について考えたり、新しい構想を練ったりする時間を持てるようになってきました。
この数か月間は、私にとって立ち止まることを余儀なくされた時間でもありました。
しかし同時に、それはこれまで見過ごしていたことに目を向ける時間でもありました。
体調を崩したことで、自分のエネルギーや時間には限りがあることを改めて実感しました。その一方で、これから何を作りたいのか、どのような作品を残したいのかを、これまでになく深く考える機会にもなりました。
これまで私は、糸という素材が生み出す色彩や構造、そして知覚の変化そのものに強く関心を持ち、それらを探求してきました。その関心は今も変わっていません。
一方で最近は、それまでたどり着くことのできなかった場所まで思索が深まったように感じています。
人生の中で経験した出来事や記憶、自分自身の内面により深く向き合うようになり、それらをどのように作品として残していくのかを以前にも増して考えるようになりました。
そのため現在は、一つひとつの作品のコンセプトについてより丁寧に向き合い、同じ構造を繰り返す作品だけではなく、それぞれが固有の物語や意味を持つ作品を作りたいという思いが強くなっています。
こうした変化は、今の私にとって大切な創作の原動力になっています。
最近は、これまでの技法に更に新しい技法をミックスした新しい表現による新シリーズや、巨大なソフトスカルプチャー、そしてより大きなスケールのインスタレーション作品についても構想を進めています。
私の作品は、一点ごとに多くの工程と時間を必要とします。新しいシリーズや大型作品となればなおさらです。
そのため今は、焦って以前のペースに戻ることよりも、次の数年を見据えてじっくり制作に向き合うことを大切にしたいと思っています。
2028年頃には、新しい作品群による個展を開催することをひとつの目標にしています。
それは復帰のための個展というよりも、この数年間で考え続けてきたことや、新たに生まれた作品たちを発表する場にしたいと考えています。
この休養期間は活動の中断ではなく、私にとっては新しいスタートのための準備期間です。
展示という形ではしばらくお会いできないかもしれませんが、制作は続いています。
また新しい作品をお見せできる日を楽しみにしながら、一歩ずつ前へ進んでいきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



