2025年、私は活動20周年を記念した個展「Visionaire Thread 幻視の糸」を渋谷ヒカリエ8/CUBEで開催しました。
その個展を例にしながら、個展がどのような流れで作られていくのかを順を追って紹介していきたいと思います。
私はアーティストとして活動する一方で、これまでギャラリーで働いた経験が3回あります。
また、上海と東京で新しいギャラリー立ち上げ業務にも関わったこともあります。
そのため、展示の裏側でどのような仕事が行われているのかについては、比較的よく知っている方だと思います。
一方で、若い頃の私はギャラリーの仕事をそれほど深く理解していたわけではありません。
来場者から見ると、ギャラリーは静かで落ち着いた空間です。
作品が並び、スタッフが受付に座っているだけに見えるかもしれません。
しかし実際には、その展示が始まるまでに多くの準備が行われています。
スケジュール管理、アーティスト達との連絡、作品管理、広報、印刷物制作、搬入搬出、販売対応や接客など、表からは見えない仕事がたくさんあります。
今回の20周年個展では、それらを改めて自分自身で経験してみたいという気持ちがありました。これまでもセルフプロデュースによる展示を行ったことはありました。ただ、ここまで多くの要素を自分で統合しながら進めた展示は初めてでした。
今回は20周年という節目でもあり、展示全体を一つのプロジェクトとして組み立ててみたいと思ったのです。
また、自分自身の得意なことと苦手なことを改めて確認したいという思いもありました。
作品制作だけでなく、広報、Webサイト制作、多言語対応、動画制作、来場者の方々とのやり取り、なども含めて、自分には何が向いていて、何が課題なのかを知りたかったのです。
結果として、多くの発見がありました。
そして同時に、改めてギャラリーという仕事の大変さを実感することにもなりました。
このシリーズでは、単に「個展のやり方」を紹介するだけではなく、一つの展示がどのような工程を経て作られていくのか、そしてその裏側でどのような仕事が行われているのかについてもお伝えできればと思います。
最近ではアーティストの活動方法も多様になっていますし、特に若手のアーティスト達はセルフブランディングが上手で、セルフプロデュース型アーティストも増えていますし、これから個展を企画したいと考えている方や、展示の裏側に興味のある方の参考になれば嬉しいです。
次回は「会場選びから個展は始まる」について書いてみたいと思います。


