新しい才能を発見し、世に送り出す「K’sコンセプト」。第一回は長年上海で活躍した志村英美、モノトーンの美を表現する吉本伊織の二人展を開催いたします。
-DM裏面より
私にとって7年ぶりくらいの日本での展示となります。是非見に来て下さい。
展示のタイトル「近くの色、彼方の色彩」はこのイベントのご意見番としてお世話になっている画家の出射茂さんが付けてくださいました。私たちの作品の感じを上手く言い表した言い得て妙なタイトルだと思います。
「K’sコンセプト」という企画名はこの企画の発案者Kさんという方の名前に由来しています。作品を買うのとは違う形でアーティストをサポートすることはできないか?というアイデアを元に、若手?アーティストに展示の機会を与えるという目的で始められたアートイベントで、今回が第一回目になります。
なぜホテルの中のギャラリーなのかというと、外国の方も含め大勢の方が訪れるということと、ギャラリー自体は夜7時までですがロビー部分にも作品が飾れるため実質その部分は24時間展示されているということになって良いではないかということでホテルを選ばれたようです。
新宿京王プラザホテルでは初の現代美術の展示なので、新しい試みです。私は今までもギャラリー・美術館など普通の場所以外にカフェ・バー・デパートのエントランスホールなどで展示したことがあり、新しい場所で新しい試みをするのは大好きですが、ホテル側にとって「もう2度と現代美術は展示しない!」と思わせるような結果にはならないように頑張りたいと思います。
私達の作品は写真では分かりにくいのが共通した特徴ですが、2人共使う素材が独特で実物は非常に質感のある作品になっています。写真を見て一見「何でこの組み合わせ?」と思うかもしれませんが、実物を見ると色々共通点を発見できると思います。
吉本氏の作品は鉛筆の芯に使われている粉を塗りたくってヤスリで磨いて光沢に変化をつけたり、陶器の粉?を使ってみたり(これは新作で実物を私もまだ見ていないのでどんな感じなのか乞うご期待です)モノクロなのに見る角度で色が変わったりする不思議な作品です。モノクロなのになぜか温かみのある作品です。
私の作品「サイレント・インベーダー」シリーズは糸を素材としており、細く切ったアクリル板にいろいろな色の糸を縞模様に巻いていくというとても制作に時間のかかる作品で、糸独特の光沢があり平面作品なのに奥行き感がある作品です。今回は「テンション」シリーズも少し展示しますが、そちらは上海の工事現場で拾ったレンガ・コンクリートの破片に糸を巻き付けつつ、蜘蛛の巣のような形を作っているという作品です(こちらも制作に時間かかってます)。
どの作品も残念ながら写真では良さが伝わりにくいというのが特徴で、実物は写真の1万倍くらい良い!と自信を持って言えます。(写真を見た時はなんとも思わなかったけど、実物を見てすごいと思ったと言われたことが何度もあります。)
畳1畳分の大きさの新作も展示しますので、あまりの細かさにびっくりしたり呆れたりしたい方は是非会場までお越しください!