私は上海でネネコさんという猫を拾って飼っていました(今も飼っています)。
ネネコさんにキャットモデルになりませんか?というDMが来たのですが、はあ?ネネコさんは確かに可愛いけど、そういうキラキラした感じの猫では無いし…と思いました。
でも、ネネコさんも一度だけ撮影してもらった事がある!と思い出したので、書きます。
2009年の事、友人より「中国で2番目に有名な監督が上海万博用の短編映像を撮影していて、撮影に出てくれる猫を集めているから出てくれないか?」という話があり、OKしました。
撮影1日目に猫が逃げてしまって監督が怒ってしまい、慌ててたくさんの猫を集めているという話で、最初猫1匹しか用意して無かったのか!?という何とも中国らしい準備不足でした…
撮影場所は上海電視楽園という上海版映画村のようなところです。
ここは昔の南京東路が再現してあったり、観光として行っても面白いです。
で、2番目に有名な監督って?1番が張芸謀(チャン・イーモウ)なので、2番目は陳凱歌(チェン・カイコー)か?と思い、ネットでプロフィール画像を見てから行ったのです。
しかし、現場にいた監督の年齢や太さがネットで見た写真となんか違っていたので、この人は一体誰なんだろう?と思いながら撮影に挑んだ私でした。
演技自体はソファの上で猫じゃらしにジャンプしてじゃれるという簡単なもので、ネネコさんがリハーサルする番になり、上手に出来たのですが、
スタッフの方が「她乳頭看得到…(あの子乳首が見えてる…)」と小さい声で言っているのが聞こえてしまい…
ネネコさんは不妊手術をした後で、まだお腹の毛が薄かったので、乳首が見えてしまっていたのです…
そして、何テイクか本番撮影をして、ネネコさんは上手に演技をし、さっきのスタッフの方が「她演得很好!!(上手に演技出来たね!!)」と褒めてくれました。でも、「さっき乳首見えてるって言ってたくせに、聞こえたぞ…」ってちょっと思いました。
撮影の時は、送迎車付きで、待ち時間が長かったので近くのホテルの一室を特別に用意してくれ、ご飯もご馳走になり、ギャラとして200元ももらい、至れり尽くせりで中々楽しい経験でした。
そして、結局あの監督は誰だったんだろう?と思い、写真を再度調べてみたところ、確かにチェン・カイコー氏であったことが判明。
実際とても味のある顔立ちで素敵な方なのですが、当時若い時の写真しかネット上に出てなく、実物との間に時差が生じてしまっていた模様。
記事を探してみたらありました。撮影日数4日間だったと書いてあり、4日しか無くて猫が逃げちゃったらそれは怒るでしょ!と思いました。
他の猫は高そうな猫ばかりだったし、ネネコさんのカットは使われなかったと思うんだけど、最初から「この猫はちょっと無しでいいです」とか言わないでちゃんと撮影してくれたのは優しいなと改めて思いました。
ネネコさんは今も元気で、お腹も毛が生え脂肪もたくさん付き、元気にしています。