日本だけで作品を展示してアーティストとして活動していければ良いのですが、なんだかんだ言って今でも日本では海外で評価された作品をありがたがる傾向にあり、どうにかして海外で作品を展示したい!と思っている若いアーティストたちは沢山いるでしょう。
日本にも海外での展示やアートフェアへの出展を代行している団体はありますが、作品1点出すのに数万円かかったりします。しかも展示風景を見てみると、アートフェアの小さいブースに何十点も作品が飾られていて、それぞれの作品が全然目立っていないというような状況になってしまっていたりします。毎回出展するたびに何万円もかかり、その割にはあまり効果が無いような状態では続けていくのは難しいでしょう。
どうしたらあまり費用をかけずに海外で展示するチャンスを得ることが出来るのでしょうか?
海外では基本的に企画画廊しかないため、作品を展示してもらうためにはギャラリーに作品を気に入ってもらい展示をするという方法がメインになります。
そのための全てのアーティストに開かれた方法として、「Juried Exhibition (審査制の展示)」のコンペに応募するという方法があります。私も何度かこれに応募して選ばれてアメリカで展示しています。小さめのコンペでグランプリを貰ったこともあります。
こういう情報をどこで見つけるかと言うと、
New York Foundation of the Arts https://www.nyfa.org/Opportunities
artshow.com http://www.artshow.com/juriedshows/
wooloo.org http://www.wooloo.org/open-call
などなど、他にも検索すれば色々出てきます。
タイトルにNationalと付いているものはその国に住んでいる人しか応募できないので、Internationalと書いてあるものを選びましょう。
タイトルから判断して自分の作品に適した内容のコンペを選びます。見つかったら詳細を見てみて、応募できそうだったら資料等用意して応募してみましょう。
※選び方のコツとしては、自分の作品に内容がマッチするものを選びます。例えば、Contemporary Art なら何でもOK!というような感じのものは、当てはまる人が多い分応募者も多く、競争が激しくなるので、更に限られたテーマで自分の作品とマッチするものを絞り込むようにします。私が今までに出したものだと、「Mixed Media」「Fiber Art (布や糸等を使った作品の事)」「Women」等自分の作品の特徴とよりマッチするものを選んでいます。
資料を英語で準備しないといけないというのが応募の際のネックになるかもしれませんが、履歴やアーティストステートメント、作品のコンセプト等、一度頑張って用意しておいて、それをその都度少しづつ変えたりして使いまわすようにすれば結構大丈夫です。
作品を説明する文章はとても大事なので、どうしても英語で書けなかったらプロに依頼して翻訳してもらいましょう。特に欧米の現代美術では作品のコンセプトが非常に重要視されますので、しっかりした文章を用意するのはとても大事です。
数回応募したくらいでは選ばれないかもしれませんが、そこで諦めてはいけません。負けずに何度か応募し続けてみましょう。
何度か試しているうちに文章が上手になったり、特定のテーマに合わせて作品を作ることにより作品の幅が広がったりもします。
いよいよ入選したらギャラリーからメールでお知らせが届きます。そして、決められた日に間に合うように作品を発送する必要があります。
英語でのやり取りとなるのでちょっと緊張するかもしれませんが、ちょっとくらい間違いがあっても意味が通じれば大丈夫!google等の自動翻訳を駆使して頑張りましょう。
初めて作品を海外に発送するときに陥りがちな過ちとしては、インボイス(送り状)に作品の申告価格を高く書いてしまい、送付先で高い関税を取られてしまうという事があります。インボイスには額縁の値段程度の低めな価格を書いておきましょう。
内容物の名前も正直に「Artwork」とか書く必要はありません。「Frame」とか「Room Decoration Object」とか書いておきましょう。
なるべく費用をかけないで送るとなると、郵便局を使うのが普通だと思いますが、FedexやDHLなどの運送会社は法人契約していると送料がとても安くなります。もし貿易の仕事をしている友達がいたら、法人契約のアカウントを使わせてもらえないか頼んでみても良いかもしれません。