新シリーズ作品を展示するときに難しいと思ったこと

新シリーズ作品を展示するときに難しいと思ったこと インスタレーション, アーティストのための色々, hidemishimura, contemporaryart Hidemi Shimura

私は普段↓こういう感じの糸でできた作品を作っています。いくつか違うシリーズに分かれた作品を作っていますが今まではどれもカラフルな作品ばかりでした。

しかし、最近作った新シリーズ「境界線 -Boundaries-」シリーズは↓のように、色数も少なく今までとは全く違った新しい作品です。

そして、3月に行われたタグボートアートフェアというイベントでは↓のように、この新シリーズのみを出展したのです。(360度画像なので回転してみてください。)
その結果、「あれ、今回はいつものカラフルな作品は無いんですか?」とか「(カラフルな作品の)実物を見たいと思ってきたのにー」というお客様の声や、下手したらこれが私の作品であることに気づかなかった人もいたのではないか?と思いました。


こういう感じの作品は2018年より試作的に作っていて、コロナ禍を経験したことが今回の新シリーズへと繋がっていったのですが、いつもと違う作品を展示するときには、
なぜ今回どうしてもこういう展示にしたかったのか?
何がきっかけでこういう作品を作ろうと思ったのか?
どういう経緯を経てこういう作品になったのか?
などの説明を普段よりもより丁寧にする必要があると思いました。
口頭で伝えたり、壁にコンセプトの文章を貼るだけではなく、経緯が分かりやすいストーリーボード的なものもあると分かりやすいのではないか?と思いました。

そして、今日本橋人形町で参加中のイベントでは、反省点を生かし↓のようにカラフルな作品も追加した展示にしてみました。
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新シリーズは色数が少ないので、カラフルな作品も一緒に展示するのはあまり合わないのではないか?と思っていたので、この展示の仕方は結構なチャレンジだったのですが、やってみたら意外と大丈夫でした。
むしろ、他の作品もある方がアーティストとしての世界観が分かりやすいしカッコいい、という声もあり、思い切ってやってみて良かったです。
展示スペースの関係上、ちょっとレイアウトがきつきつになってしまいましたが、こういうのを今度ゆったりした空間でやるのもありではないか?と思いました。
そして、来年の展示はこういう感じの全シリーズを詰め込んだ感じの展示にしたいと思い、全シリーズバランス良く展示出来るように作品制作を進めていきたいと思います。

このように、試しにやってみたら意外と大丈夫だったということは結構あるので、やってみようと思ったことは自由にやってみるべきだと私は思います。
それでもしちょっと失敗してしまったとしても、次の機会に生かせれば特に問題ないのでは?と思います。

現代美術作家 シムラヒデミ
主に刺繍糸を素材に作品を制作するアーティスト。大学でファッションデザインを専攻、卒業後3DCG制作の仕事に就く。
2005年より現代美術作家としての活動を開始。デビュー直後にパリで個展を開催する等順調に海外での活動を広げる。2006年より社員旅行をきっかけに好きになった街、上海へ移住。それほど長く住むつもりではなかったものの、リーマンショックによる画廊閉鎖など予想外の展開に翻弄され、7年近く住んでしまう。
2013年12月日本帰国、埼玉県所沢市在住。引き続き現代美術作家として活動。現在、2025年のアーティスト活動20周年の為に作品を作り溜めている。

このブログではアート・文化・歴史に関する考察、自身の活動報告等を投稿しています。
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