個展ができるまで⑪-展示が始まってからもやることはたくさんある

個展ができるまで⑪-展示が始まってからもやることはたくさんある 現代美術, シムラヒデミ, hidemishimura, fiberart, contemporaryart Hidemi Shimura

個展をセルフプロデュース型で開催する場合の手順をシリーズ記事として説明しています。
前回の「個展ができるまで⑩-搬入・設営は時間との勝負」では、展示が始まるまでの準備について書きました。

今回は、展示が始まってから会期中に行っていたことについて書いてみたいと思います。


個展は始まってからも毎日やることがある

搬入・設営が終わると、ようやく展示が始まります。でも、展示が始まってからも毎日やることがあります。
作品を展示したら終わりではなく、展示期間中も会場を運営していかなければなりません。


毎朝まず作品を確認する

開場前には、まず作品の状態を確認します。
作品がずれていないか、会場内はきれいな状態かチェックし、作品に付いた埃を埃取り用ハンディクリーナーで掃除します。
会場前に、少し作品の配置換えをすることもあります。

展示期間中は、多くの方が作品をご覧になるため、毎日の点検は欠かせません。


フライヤーや備品も補充する

展示会場では作品だけでなく、様々な配布物も減っていきます。不足していないか確認し、必要があれば補充します。

私は前回は、フライヤーとオリジナルのマグネットステッカーを配布したのですが、最初は会場入り口の所で随時手渡ししようと思っていたのですが、渋谷ヒカリエという場所柄、来場者が多すぎて、全部を手渡しにするのは無理だとすぐに判明しました。その結果、随時手渡し+テーブルの上に並べて「ご自由にお持ちください」というメッセージも付けておいて、自由に取ってもらうという形にしました。


来場者との会話も大切な仕事

会期中は作品について質問をいただくことも多くあります。

作品の制作方法について聞かれることもあれば、
「どうしてこの色を使ったのですか?」
「制作にはどれくらい時間がかかるのですか?」
といった質問を受けることもあります。

海外からのお客様も多く、英語や中国語で作品について説明する場面もありました。

私は元々話すのは上手ではなく、外国語も流暢に話せるわけではありませんが、自分で書いた作品説明文(ステートメント)があることで、落ち着いて作品について説明することができます。


販売対応もセルフプロデュースの仕事

作品が売れた場合は、販売対応も行います。
今回はSquareを導入して、カード決済も行えるように準備しましたが、「これ本当に問題なく使えるのか?」と思って、実際使ってみる時は結構ドキドキしました。


SNSは会期中も更新する

展示が始まってからも、SNSで会場の様子を発信しています。今回はインスタの広告も随時載せていました。

展示風景や、その日の出来事などを投稿することで、
「展示を見に行ってみようかな」
と思ってくださる方もいます。

会期中の発信も、広報の大切な仕事の一つであるのは間違いないです。しかし、実際のところ展示会場の写真を良い感じに撮るのは結構難しく、SNSなどで良い感じに撮れている展示風景の写真などを見かけると、綺麗に撮れていてすごいな、と思っています。


展示期間中は意外と体力を使う

展示期間中は来場者の方とお話しする時間が多く、気が付くと一日中ほとんど座っていないこともあります。
毎日ほとんど立ちっぱなしで過ごすので、作品制作とはまた違う疲れがあります。
それでも、多くの方と直接お話しできる時間は、個展ならではの楽しさでもあります。

お昼を食べる時間も中々無い状況なのですが、渋谷ヒカリエ内にはおいしいものがたくさんあるので、隙を見ては買いに行きこっそり食べていました。パンをかじった瞬間にお客様が入ってきて見られる、という場面もあり、きゃあ、見られちゃった!と思ったりという事もありました。

また、会期中は大勢の方と話して、気持ちが高ぶっているのか、夜になってもなかなか眠れないことがあります。
翌日も開場時間には会場にいなければならないので、体調管理も大切な仕事の一つだと感じています。

展示期間中は、毎日同じことの繰り返しのようでいて、実際には毎日違う出来事があります。
来場者の方との会話や、作品についていただく質問など、その日にならないと分からないことばかりです。

展示が始まるとあっという間で、気が付くと最終日を迎えています。
個展は作品を作って終わりではなく、会期中の運営まで含めて一つの仕事なのだと毎回感じています。

次回はこのシリーズの最後として、「20周年個展を終えて感じたこと」について書いてみたいと思います。

現代美術作家 シムラヒデミ
主に刺繍糸を素材に作品を制作するアーティスト。大学でファッションデザインを専攻、卒業後3DCG制作の仕事に就く。
2005年より現代美術作家としての活動を開始。デビュー直後にパリで個展を開催する等順調に海外での活動を広げる。2006年より社員旅行をきっかけに好きになった街、上海へ移住。それほど長く住むつもりではなかったものの、リーマンショックによる画廊閉鎖など予想外の展開に翻弄され、7年近く住んでしまう。
2013年12月日本帰国、埼玉県所沢市在住。引き続き現代美術作家として活動。現在、2025年のアーティスト活動20周年の為に作品を作り溜めている。

このブログではアート・文化・歴史に関する考察、自身の活動報告等を投稿しています。
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