個展をセルフプロデュース型で開催する場合の手順をシリーズ記事として説明してきました。
今回で、このシリーズは最後になります。
会場選びから始まり、作品制作、広報、搬入、そして会期中の運営まで、一つの個展ができるまでには本当に多くの工程があります。
今回は20周年個展を振り返りながら、その中で改めて感じたことを書いてみたいと思います。
個展は毎回違う
私はこれまで日本だけでなく、海外でも展示を行ってきました。
セルフプロデュース型の展示も今回が初めてではありません。
それでも、展示は毎回違います。会場が変われば展示方法も変わりますし、作品が変われば準備の内容も変わります。
毎回ある程度スケジュールを立てて準備を進めていますが、予定通りに進むことはほとんどありません。
だからこそ、経験を積んでも毎回新しい発見があります。
準備に終わりはない
展示を重ねるたびに思うのは、「もっと早く準備しておけばよかった」ということです。
20年間展示を続けていても、この気持ちはあまり変わりません。
作品制作だけでなく、広報や額装、撮影、搬入準備など、それぞれ予想以上に時間がかかります。
経験が増えるほど効率は良くなりますが、その分「もっとこうしたい」ということも増えていきます。
ただ、個人的には、予定していたことの8割くらい準備出来たら上出来、と思うようにしています。
残りは次の展示の時の新しい課題として取っておきます。
ギャラリーの仕事の大変さを改めて実感する
今回改めて感じたのは、ギャラリーの存在の大きさでした。
私は以前ギャラリーで働いていたので、展示の裏側で行われている仕事は知っているつもりでした。
それでも、自分で会場探しから広報、搬入、会期中の運営まで担当すると、普段ギャラリーがどれほど多くの仕事を担ってくださっているのかを改めて実感しました。
企画展では、来場者の方には見えないところで、展示スケジュールの調整や広報活動、販売対応、来場者への案内など、本当に多くの業務が行われています。
作品が展示されている空間は、多くの人の仕事によって支えられているのだということを、改めて感じました。
今回特に印象に残ったこと
普段お世話になっている方だけでなく、何年も会っていなかった方が久しぶりに来てくださったり、SNSで作品を知って初めて来場してくださった方など、本当にさまざまな方が会場に来てくださいました。
今回は渋谷ヒカリエという場所だったこともあり、普段のギャラリーとは客層が少し違っていたのも印象的でした。
偶然通りかかった方が足を止めて作品をご覧になったり、海外からのお客様が立ち寄ってくださったり、買い物や食事の途中で展示を見つけて入ってくださる方も多く、商業施設ならではの面白さを感じました。
また、夏休み中の開催だったため、子どもたちが作品を見てくれる機会も多くありました。
特に触れることができるソフトスカルプチャは子どもたちにも人気で、大人とはまた違った反応を見せてくれました。
寄りかかって寝てしまって「今日ここに泊まる!」と言い出すお子さんもいました。
そんな子どもたちの様子を見ていると、こちらまで楽しくなってきます。
「そんなところに興味を持つんだ!」と思うことも多く、大人とは全然違う反応を見せてくれるので、見ていて飽きません。
セルフプロデュースだから見えたこと
セルフプロデュースには大変なこともありますが、自分で全体を考えられる面白さもあります。
展示レイアウト、広報、会場での見せ方など、一つ一つを自分で判断できるため、「どんな展示にしたいのか」を最後まで形にできることが魅力だと思っています。
もちろん、その分責任も大きくなります。
でも、その経験は次の展示にも必ず生きてきます。
このシリーズを書いてみて
今回、このシリーズを書くために20周年個展を改めて振り返りました。
当時は目の前の作業をこなすことに精一杯でしたが、一つ一つ整理してみると、自分でも忘れていたような細かな作業がたくさんありました。
また、「これはもっと早く準備すれば良かった」「これはやって良かった」ということも改めて整理することができました。
ブログを書くこと自体が、自分自身の振り返りにもなったように思います。
最後に
この記事に書いたことは、あくまで私自身の経験です。
作品のジャンルや展示方法、活動スタイルによって、準備の進め方は大きく変わると思います。
それでも、このシリーズを通して、「個展はこういう流れで作られていくんだ」ということが少しでも伝わっていたら嬉しいです。
そして、次に展示を見る機会があった時には、作品だけでなく、その展示を支えているギャラリーやスタッフ、関わっている方々の仕事にも少し目を向けていただけたら嬉しく思います。
展示の企画は大変なのですが、一度やると癖になるというか、またやりたい!と思ってしまう感じがします。
私自身も、これからまた新しい展示に向けて、一つずつ準備を進めていこうと思います。


